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「日米同盟後」の日本地図を考える。(原田武夫の”Future Predicts.” Vol. 79)

今日(18日)はこれから弊研究所の定例四半期セミナーを東京・東銀座で行う予定だ。御陰様で春になってご多忙な中、今回も大勢の熱心な皆様にお集り頂くことになっている。今回からこの定例セミナ―は「ガラリ」と内容を変えることにした。「どの様に?」と気になるとは思うのだが、一言で言えば、「再起動(reboot)」である。一昨年(2024年)秋より「過ぎ越しの祭(pass-over)」を個人的にも体験し、実に大変であり、周囲で支えて下さった方々にとってはもっと大変だったと思うのだが、それも何とかなり、態勢を立て直すことが出来た。だからこそ「元来やるべきこと・為すべきこと」に絞った体制で今後は突き進もうと考えている。その一環として、心からの感謝の念を込めつつ、今後は定例セミナーを全くもって違う形で行おうと考えている。是非ご期待頂ければと思う。

そうした中で、昨日(17日)は「定例セミナー、行きたいのだけれども時間が無くて行けない!」という皆様のために音声レポートをリリースさせて頂いた。有難いことにこれまたたくさんの皆様にお聞きいただいているわけだが、その中で今回特に申し上げていることがある。それは「このまま進んで、本当に我が国=ニッポンは1つであるままなのか?」という論点である。端的に言うと、「我が国=ニッポンは3つに分かれてしまうのではないか?」とお話した(是非詳しくはこの音声レポート(2026年4月17日号)をお聞き頂ければと思う)。

なぜこんなことを申し上げるのかと言えば、我が国の歴史は常に、「社会で生じた矛盾を東北より以北の地域で解決しようとする(=困難を押し付ける)」で古来繰り広げられてきたからだ。「征夷大将軍」然り、「戊辰戦争」然り、である。しかもそれだけではない。我が国の歴史は同様に、古来「近隣諸国、とりわけ朝鮮半島に矛盾を押し付けること」で前に進んできたのである。「三韓征伐」然り、「韓国併合」然り、である。そのことは普段は余り語られることが無いのであるが、筆者の様に歴史法則を考え続ける立場にいると、余りにも如実なルールなのである。

しかも、それだけではない。我が国は古来、こうしたやり方をしてきたけれども、第二次世界大戦が終わってからはその「やり方」を真反対にしたのである。それはこうした形で虐げられてきた方々が生き残るためにつくってきた「部分社会」を一つ、また一つと順繰りに包摂(inclusion)し、彼・彼女らに戦後復興、さらには高度経済成長によって実った果実の分け前を与えるような仕組みづくりをしてきたのである。端的に言うと、昭和の大帝が創り上げた仕組みは戦前と戦後で全く持って違った。なぜならば、前者は古来のそうした「矛盾の押し付け」であったのに対し、後者は真逆であり「部分社会の包摂」だったからだ。そしてその結果、とにかく大勢の方々が現体制へと取り込まれることとなり、そこでは「労働集約的な経済体制」があえて選択されることにより、それぞれの就労者に役割があるものとされ、機械ではなく、「人力」が尊ばれることとなった。「戦後日本」とはすなわち、そうした時代だったのである。

不思議なもので、筆者の周りには「野性的な勘」が鋭い人物が絶えずいてくれている。研究所の担当秘書の皆さんは歴代そうであり、過日、新旧二人の秘書さんと会食する機会が学芸大学前の行きつけの居酒屋であった。その際、何とはなしに「日本分割」の話になったのである。曰く、現在、Amazonプライムビデオで人気のアニメーションが「日本が三国志に時代を迎える」というストーリーなのだという。話半分で最初は聞いていたが、よくよく考えると今私が書いた「戦後日本」の続きの展開としては大いにあり得るのではないかと思い出したところである。

元来、「戦後日本」は四分割されるはずであった。これは極東委員会においてその様な議論がなされていたからであり、そのことを我が国を取り巻く周辺諸国はよく記憶している。例えばロシアは絶えず我が国に対して「北海道と東北に米軍基地を置くな」と主張して来る。「日米同盟なのだから良いではないか」と我が国は反発するが、その実、彼等からすると「戦勝国」同士の取り決めでそうなっているのである。だからロシアは決して主張を変えることがない。

他方で中国勢はというと、最近、東かがわ市といった四国に多く住みつき、事実上のコロニーをつくっているとも聞いている。四国の瀬戸内沿岸では、インバウンド需要を取り込もうと、大勢の「外国人富裕層」、とりわけ中国からのそれ、がやってきて、それを目当てに高級宿泊施設が香川県等では林立するようになっている。しかしこれとても、実は「四国は中国勢が英国勢と分割統治する」というプランの続きだと考えるならば、至極納得が行くのである。

それでは米国勢はというと、彼等はとにもかくにも「横田管制区域」に拘るのである。米国勢が開発した最新技術を応用研究させるため、我らが日本勢を使おうとする時、必ず利用するのはこの区域にある研究施設であり、大学機関である。なぜならば、そこが「領分」だからである。京都大学がどうも雰囲気が違うのにはそういった理由があると察すれば、何となくお分かりいただけるのではないか(その意味で余談ではあるが、東京大学が来年度(2027年度)から設立しようとしている新学部(College of Design)は、英国勢の、とりわけインペリアル・カレッジとの提携で作ろうとしているらしいので明らかに「ルール違反」である。昨今の米英勢における”角逐”をベースに、何かが起きるような気がしてならない。来年(2027年)夏には「東大総長選」でもあるわけであり、そうした観点で最近の「東大医学部絡みの不祥事」も果たして偶然なのか、についてはよくよく吟味する必要がありそうだ)。

要するに「日米同盟後」の「日本分割統治リヴァイヴァル」に向けたレースが実は始まっているのではないかと考えると、色々とわかって来ることがありそうなのだ。しかもそれは「敗戦後の戦勝国同士の約束」に基づいたものであり、我が国=敗戦国に発言権は一切無いのである。あの時は「昭和の大帝」のご英断により「日本分割」という難を逃れることが出来たが、今回はトランプ米政権自身が「追剥強盗」の様に我が国にたかりに入っているのだから、そうはいかない。今上天皇の御心痛如何と思わざるを得ないのであるが、その下で元来は「この重大事」に対処すべき我が国の内閣総理大臣以下、「政体」勢力はというと、自己の権力の保全に忙しいばかり、大所高所で何もしてないというのが実態なのである。元来、我が国の官僚(官吏)は天皇大権の下、任命されており、移ろいやすい人心に基づく「政体」とは無縁のものと整理されていた。無論それが「桂内閣」といった存在を生み出したのだから問題はあるにはあったわけであるが、「制服を着た自衛官が一政党の党大会で国家を斉唱する」などという事態にまで及んでいる現実を見ると、これまた風雲急を告げていることが分かるのである。霞ヶ関ではかつてうまくいった「包摂戦略」の際に原動力とされた「官僚主導の予算配分による経済成長=国富の分配」という仕組みがもはや有効ではないことを理解しようともしない、旧態依然とした「開発主義国家官僚」、とりわけ経済産業官僚、さらにはこれに追い付け追い越せと人員増を図っている防衛官僚たちが跋扈し始めている訳であるが、何のことはない、彼等が母体とすべき「我が国=ニッポン」という全体そのものが実のところ、程なくして分割統治される、そういう危機に陥り始めているのである。

「それではどうすれば良いのか?」そう、お聞きになられると思うのであらかじめお答えしておきたい。この史上最大の「国難」を乗り越えるためには、国土に立てこもって迎え撃つ、ではなく、そもそもこうしたシナリオ全体を描いていている根源的な場に出向き、そこで丁々発止の知的合戦を行い、同時に利権分配の中で己の分け前を「お前は我らが仲間だから、最低限の分はくれてやる」と得る、という意味での「外交(diplomacy)」が今こそ必要なのである。そしてそれはある意味、逆説的ではあるが、「日本勢プロパー」であなく、グローバル秩序の本質を知り抜いているという意味で、日本発ではあるが「グローバル人」が行うべきことなのであり、それこそが今、弊研究所が目指さなければならないことなのだと思う。

いずれにせよ、正念場だ。この夏にはここで書いていることの「意味」を読者の全員が知ることになるであろう。そして秋には「もはや取返しのつかない事態」にまで陥っていることに気づくことになる。「世界精神(Weltgeist)」は今、そうした私たち日本勢をじっくりと見つめている。

2026年4月18日 東京の寓居にて

株式会社原田武夫国際戦略情報研究所 ファウンダー/代表取締役CEO/グローバルAIストラテジスト

原田 武夫記す

(*弊研究所では引き続き、こうした「次の次」の時代を共に創造するメンバーを募集しています。こちらこちらの記事をご覧頂き、是非ご関心のある方は「Pax Japonicaに対するご自身の想い」を400~600字以内でまとめた上でメール(recruit●haradatakeo.com(●は@です))までご連絡下さい。皆様のご応募をお待ちしております。)