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技能伝承・知識伝播(クスノキ・プロジェクトへの招待 Vol.3)

IISIAインターン生の板倉瑠香です。前回、クスノキ・プロジェクトの概要について執筆いたしました。想像以上に多くの方に読んでいただけて、非常に嬉しいです。

早速ですが、原田CEOのブログは読んでいただけましたでしょうか。ブログに登場した、神武天皇の東征に出てくる「八咫烏」について、私はふと、八咫烏を祀る神社に生まれた友人がいたことを思い出しました。何かのご縁でしょうか…もしかしたら、想いを結ぶクスノキの力に私自身引き寄せられたのかもしれません。

八咫烏とは、神武天皇の東征の際、熊本から大和へまでの道案内のお役目としての神からの使いと言われています。古事記伝に書かれている神武天皇の東征は、正しい道を示す鳥、そして航海をする上で必要不可欠な船が登場します。驚く事に、今回のブログテーマである「技能伝承・知識伝播」と「八咫烏・船」が絡んだ出来事がありましたのでお話していきたいと思います。

 

さて、2007年という年代を耳にした時、何かピンとくるものはありますか?この時私はまだ幼稚園生でしたので、うっすらとした記憶しかありません。しかし、「2007年という」年は60歳の定年を迎えた団塊世代が次々退職してしまう、経済大打撃の年でした。深刻な影響をもたらしたこの年は、皆様の記憶に根強く残っているのではないでしょうか。まさしく、これが・・・「2007年問題」です。正しくは、「2007年から問題」と言われており、多くの企業が経済的に打撃を受け、経営困難に陥りました。特に、労働集約型であった造船業は影響が大きく、現場における知識量の偏りにより技術面に大きな差が生まれました。経済打撃の原因として、人員不足、また長年蓄積された、「技術」や「知識」の喪失が挙げられます。しかし、2007年は既に第三次AIブームが巻き起こっており、その上、製造過程のマニュアルも存在していた時代です。伝承するには十分な技術があったはずでした。ならば何故、多くの企業が経営困難に陥ってしまったのか。それは、「知識」自体がうまく伝播されていなかったからなのです。

2007年問題は、決して過去の問題ではありません。今まさにこの瞬間、あの時と同じ問題が再び起ころうとしています。

先ず、技能伝承・知識伝播とは何でしょうか。技能伝承の「承」とは受けるという中国由来の意味を持ち、今では受け継ぐとされていることから、世代を通じて繋げていくことを指します。また、知識伝播の「播」とは元来種をまくことを意味するため、人間の意志と関係なく大地に広く根ざすことを意味することから、ある個人の知識や経験が自然と全体に広まっていくことを指します。しかし、ただ伝播する、伝承するだけでは不十分であり、受け取り側が知識を理解し、活かすことが重要です。現在、技能や知識がうまく伝わらない最大の原因は、後継者不足そして、人員不足による教える時間がないということです。研修のための時間を取ることが難しい今の時代、先代の技術伝授は更に厳しくなっています。

その結果、経験者のノウハウや知恵は埋もれてしまい、属人化増加の原因になるのです。

 

今回のテーマである、「技能伝承・知識伝播」の一番の障壁である属人化は、特定の個人に知識がとどまり、誰にも伝播しないまま消えてしまう難題です。そして、現在、引継ぎが難しくなり業務遂行がスムーズにいかなくなる会社が思いのほか全国各地に多く見受けられる事態が生じています。毎日新聞によると、約8割の企業が属人化による非効率業務を感じていると報道されました。プレスリリース:[500人に調査]約8割が業務の非効率を実感:属人化と人手不足の実態を公表(PR TIMES) | 毎日新聞

 

これらの問題を解消するべく立ち上がったのが今回、私たち学生と共同で推進している「クスノキ・プロジェクト」です。私たちインターン生が皆様の八咫烏となって、皆様の事業承継問題解決に導いていきたいと思います。

現在、クスノキ・プロジェクトは目標達成に向かって順調に進んでいます。上長の大坪をはじめ、AI講座の作成担当である神野、そして、日々ブログの考案を行い、皆様にこのブログやSNSを通じてクスノキ・プロジェクトに関する情報を毎週お届けしている佐々木と私で遂行しています。

 

今回は、「技能伝承・知識伝播」の本質を理解するため、2007年問題を取り上げ、属人化に対する解決方法について言及しました。知識共有は会社を未来に繋ぐための基盤です。

しかしながら、仕事によっては、マニュアルに書くことが難しい技術や言葉に出来ない問題も生じることがあると思います。

 

次回のブログでは、その「言葉や文章にしにくい知識」——つまり、暗黙知に焦点を当てる予定です。

暗黙知とは何か?暗黙知の形式化の方法とは?

もう一段階深い層へと迫っていきます。

 

次回ブログは佐々木が担当しますので、どうぞお楽しみに。

 

 

本年9月6日(土)東京・7日(日)大阪で開催する、ゴールド会員様限定のクスノキ・プロジェクトのイヴェントでは皆様と上記のような議論をしようと思っています。

7月12日(土)に開催する「2025年夏・IISIAセミナー」から募集開始します。是非、御申し込み下さい。

詳細とお申込みは今すぐこちらからどうぞ!(HPにジャンプします)

 

 

このブログが面白いと思って頂けますならば、インターンシップの励みになります。是非、ソーシャルメディア等で拡散して頂けると幸いです。

 

 

※当ブログの記述内容は弊研究所の公式見解ではなく、執筆者の個人的見解です。

 

業務推進ユニット社会貢献事業 板倉瑠香拝