「良い警官」と「悪い警官」。(原田武夫の”Future Predicts.” Vol. 77)
いきなり手前味噌の話で恐縮ではあるが、昨日(3日)昼にリリースした弊研究所の音声レポートが何時になく「売れている」ようだ。先ほど、CRMをチェックして販売動向を見て気づいた。「イラン戦争をいよいよ終わらせるのではないか」と期待されながら行われたトランプ米大統領による先の演説であったが、蓋を開けてみれば正に「大山鳴動」なのであって、結局のところ何も意味のあるメッセージは「表向き」発されなかった。”どうすれば良いのか”と多くの読者の皆様が惑っていらっしゃるのが手に取るように分かるのだが、それに対する弊研究所の「答え」を今回の音声レポートでは70分間にわたり御伝えした次第である。まだお聞きになられていない方は是非、お聞き頂ければと思う。刮目であることをお約束したい。
今、グローバル社会は着実に「次のフェーズ」へと移りつつある。我が国にいるとどうしてもinertia(慣性)が強く、「昨日と今日は同じ、今日と明日は同じ」と思われがちだ。しかしその実、”次”に向けての人的フォーメーションは静かに始まっているのである。例えば弊研究所はいよいよ「ヘルシンキ地経学会(Helsinki Geoenomics Society)」へオブザーバーとして加盟する段取りとなった。正式にはまた御伝え出来ればと思うが、同学会こそ、これからの世界で中心的な組織となる存在であり、そこに既に集まっているお歴々からして明らかなのであるものの、我が国では全くもってそのことは知られていない。ちなみに同学会のリーダーシップ曰く、我が国において「経済安全保障」「地経学」を語る専門家たちと面会をしたが、どうも話が通じなくて困ったとのことであった。我が国における「この手」の専門家たちはいずれも、米国筋からの影響が強く、自ずから「国土安全保障」的な発想、すなわち国家がまずはありき、という発想で語ることが多い。しかしこの新たな学会における主体はあくまでも「民間セクター」なのであり、そのための議論をアカデミックに行いつつ、同時に民間セクターに対して広くあまねくその成果を普及させていくというのを学会運営の主旨としている。我が国の「専門家」たちはというと、全くもってこういった新潮流にはついていけないのであって、だからこそ弊研究所の出番と相成った。今後一つにはこの切り口でbetter world構築のため、尽力していければと考えている。
我が国ではとかく開発主義国家(developmental state)的な認識が語られることが多く、何かといえば「政府が・・・」という文脈がメディアでは出て来るし、リーダーシップというと国家・政府との距離感が全てと勘違いしている御仁がまだ大勢いる。「高市一強」の世になってから益々その勢いが増しているわけであるが、実のところ、こうした発想そのものが全くもって既に見当違いであり、いよいよ突き崩される対象そのものなのである。私たち日本勢がそういった人類社会の趨勢に気づかない間に、例えば隣国・中国においてすら、「国家」としてのアプローチではなく、「民間優位」での対外折衝のactorたちが動き始めているのであって、明日もそうした意味での「客人」が弊研究所を訪れることになっている。そこで語られる内容はと言えば、全くもって我が国の「専門家」「学識経験者」は言うに及ばず、「政府関係者」「政治家」たちが思いもよらないレヴェルなのであって、こうした次の時代に向けたグローバルな世論形成と比べて旧態依然として切り口で延々と「大本営発表」を述べ続ける我が国マスメディアの報道やそれをハイエナの様に追いかけては根拠なき言論?を振りかざすYouTuberたちの言葉を耳にするにつけ、嘆息を禁じ得ないのが正直なところだ。
そうした中、我が国を先日、マクロン仏大統領が夫妻で訪問した。その際、今上天皇と皇后陛下が「通訳官抜き」の4名で会食されたことが耳目を集めた。いわゆる「公実賓」のフレームワークであったからこそ「午餐会」であったのだろうが、当然のことながら「この様な形態をとられる」ことに御上の側では企図されていることがあられるはずなのである。そうした流れの中で高市早苗・総理大臣以下、「政体」勢力の側はというとひたすら軍事協力へと走っており、今度はフランス勢との間でもこの意味での様々な合意をしたようだ。この話を聞いて、筆者はコロナ禍が始まる数年前、宮崎のシーガイアホテルで開かれたとある外国人会合のことを静かに思い出していた。その時、弊研究所からは誘いを受けて男性の戦略秘書が出席してくれたのであるが、帰京するや否や、この秘書氏はこう伝えてくれたのである。
「実にびっくりしました。全員フランス人であり、在京のフランス人ビジネスマンだけではなく、フランス本国からも大勢男性たちが来ていたのですが、皆口々に言っていたのです、”このMIYAZAKIに巨大なプランテーションを作ろう。ここは温暖で最適地だ”と。」
一つの大胆な試論として、幕末の戊辰戦争で何故に徳川慶喜が無様な敗北をしたのかと言えば、仮に幕府側が勝利していたとすると、それを軍事的に支えていたフランス勢に対し、戦勝後、「SATSUMA」を割譲するという密約があり、それを本当に実現しなければならなくなるからだという議論があることを聴いたことがある(NHKによる大河ドラマでも堂々と語られていた試論だ)。何のことはない、「この密約」は全くもって未だにvalid(有効)なのかもしれず、少なくともフランス勢はそう考えている節が何とは無しにあるのである。
そのことは今回の御上の「マクロンに対する厚遇ぶり」からも深刻さが分かる話なのであるが、「政体」リーダーの高市早苗総理大臣はといえば、「カメハメハ」といった謎の?ジェスチャーで耳目を集めるのみであり、全くもって戦略性を感じないのである。「米国勢はもはや頼れない。だからこそ欧州勢、しかも英国勢だけではなく、フランス勢」「欧州系国際金融資本の雄の拠点は現在パリなのだから、フランス勢と手を結ぶべき」と、同総理大臣が毎晩電話をしてご意見を賜っているという「公益資本主義(?)」の主に恐らくはささやかれたのであろうが、この主こそ、パリにオフィスを構えていると聞くのだからもはや語るに落ちる、なのである。後に残されるのは「良い警官、悪い警官(good cop, bad cop)」というのが典型的な米欧勢のやり口であることを知ってか知らずか、最後はその罠に自ら嵌っていく極東の島国の住人、ということなのだろう。
ここであえて繰り返し書いておく。「最後に狙われているのは我が国ニッポン」である。そのことは歴史上の必然であり、もはや逃れられない現実であると言わざるを得ないというのが卑見だ。そしてそのプロセスの中で、我が国では多くの物・者が失われていくことになる、と(米国のMITからお伺いを立てられている)北の大地の我がメンターから15年ほど前に云われた。「その結果、我が国はぺんぺん草すら生えない様な事態に陥るのだが、それでは余りにもしのびないと想っていたところ、あなたを見つけた。なので、俺が知っていることを全て教える」そう、我がメンターは筆者に語り、事実、ご存知のことを全て教えて下さった。
その想いの延長線上で、これから先もまっすぐに進んでいければと思う。御陰様で弊研究所はこの2日で「設立登記19周年」を迎えることが出来た。「何かを成した」わけではないが、かといって「何も見えていないわけではない」と想っている。どうぞ引き続き変わらぬご支援の程を心から御願い申し上げます。
2026年4月4日 軽井沢の木立の中にて
株式会社原田武夫国際戦略情報研究所 ファウンダー/代表取締役CEO/グローバルAIストラテジスト
原田 武夫記す
(*弊研究所では引き続き、こうした「次の次」の時代を共に創造するメンバーを募集しています。こちらとこちらの記事をご覧頂き、是非ご関心のある方は「Pax Japonicaに対するご自身の想い」を400~600字以内でまとめた上でメール(recruit●haradatakeo.com(●は@です))までご連絡下さい。皆様のご応募をお待ちしております。)