人工知能学会において「AI社会デザイン官僚」コンセプトを初めて提唱致しました。

弊研究所 は 27日(土)に開催された一般社団法人人工知能学会・経営課題にAIを! ビジネス・インフォマティクス研究会(SIG-BI)第27回において、「AI社会デザイン官僚(AI-Driven Technocrats for Social Design)」コンセプトを初めて公に提唱致しました。これは弊研究所代表・原田武夫が論文及び研究「AI社会デザイン官僚とその育成の実践」を発表する形で行ったものです。なお、同論文は一般に対しても公開されており、J-Stageサイトから無料でダウンロード・閲覧することが可能です。
●今、なぜ「AI社会デザイン官僚(AI-Driven Technocrats for Social Design)」なのか?
「失われた30年」と語られつつも、抜本的な問題状況が改善されない我が国においては、ここに来て内政上のリーダーシップも失われ始めています。こうした中で我が国において従前よりまして大きな役割を果たすものと考えられるのが、不安定性を増す政治的リーダーシップに対し、身分保障をされ、それだけ安定性を保っている中央省庁の官僚制です。しかし従来型の「官僚優位の政策形成・運営」に対しては、より一層の民主主義的な手段を用いたコントロールを実現すべく、これまで様々な手段が講じられてきていることも事実です。その一つが「証拠に基づく政策形成(evidence-based policy making, EBPM)であるものの、これは現実政治上、余り重視されなくなりつつあることも事実です。こうした状況を踏まえ、人工知能科学(AI)の知見・素養に基づきつつ、データに基づき、客観的な形で説明責任を果たしつつ、社会課題の設定とその解決に向けての政策形成・運営に邁進する全く新しいタイプの官僚像が今こそ必要であるという観点から、この度、「AI社会デザイン官僚」という新しいコンセプトを提唱した次第です。
●中央省庁におけるこうした新しいタイプの官僚を育成するためにIISIAは如何なる貢献をしてきたのか?
現在、中央省庁の担い手である国家公務員を志望する学生たちの数が低減していきていることは、様々に報じられてきているとおり、事実です。他方で、中央省庁における基本的な政策形成の現場では、いわゆる課長補佐レベル(入省6~10年目程度)の総合職職員を筆頭に若手が活躍していることもまた事実です。「霞ヶ関における次世代のリーダー」への成長を念頭に置きつつ、今般提唱した「AI社会デザイン官僚」の意義を説き、かつ自らもその輪に加わることで、ますます混迷を極めつつある我が国の内政・外交における礎への道を進んで歩んでいく学生たちを確保することは、正に公益に叶う行為として、社会貢献そのものであると弊研究所は考えています。弊研究所代表・原田武夫はこの様な観点に基づき、今年度(2025年度)夏学期に東京大学教養学部学生自治会の公認自主ゼミとして、同大学に通う1・2年生を対象に、「アントレプレナーシップ・AI・グローバルリーダーシップを学ぶ」を開催し、理論・概念だけではなく、さらなる実践に向け踏み出した次第です。
●今後、IISIAは「AI社会デザイン官僚」の更なる育成のために何をして行く考えなのか?
弊研究所のヴィジョンは「Pax Japonica」であり、その実現のためにはこうした「Ai社会デザイン官僚」たちが多く誕生し、国内外に対し、人工知能科学に基づきながら、積極的な課題設定とその解決のための持続可能な施策の立ち上げ・実施、さらにはそのグローバルな展開へと突き進むことが必須です。弊研究所と致しましては国内外の大学等における講義・ゼミの展開の際、あるいは弊研究所に在勤している学生インターンに対する基礎教育の一環として、「AI社会デザイン官僚」への道が如何に歴史的に見ても有意義なものであるのかを若い学生たちに対して積極的に説き続け、その輪の拡大に向け、更に日々尽力して参る所存です。
(以上)