Pax Japonica実現のための深い歴史認識を得るための取組み~なぜ今、七星剣なのか~
過日、弊研究所は四万十市市役所を訪問し、今年度の七星剣年代確定調査に係る寄付について感謝状を贈呈された。
<図:四万十市から感謝状を受ける代表・原田武夫>
(参照:筆者撮影)
本プロジェクトは、2022年より高知県四万十市で七星剣・年代特定等において調査の寄附を社会貢献事業として行っている。今回、そもそも七星剣とは何か、そして七星剣の年代特定がどう地方創生に繋がるのか紹介することとする。
七星剣とは、中国の道教思想に基づき北斗七星が意匠された刀剣である。北斗七星は宇宙の中心である北極星(天帝)を守ることを示し、古代では皇族や貴族、豪族らが儀式用や守り刀として所持していた。聖徳太子所縁の大阪・四天王寺に伝わる国宝の七星剣や、法隆寺(奈良県斑鳩町)の「七星文銅太刀」などが有名である。
現在刀身の形が完全に残っている七星剣は大寺正倉院(奈良県)、法隆寺(奈良県)、四天王寺(大阪府)、そして一宮神社から見つかっている四振りのみである。さらには、他の最初の三振りは片刃であるのに対し、一宮神社から見つかっている七星剣は両刃となっています。当時の都から土佐までどういった理由で渡ったのか、調査により明らかにすることで、一般的に知られていた歴史に新しい視点を与える可能性を本プロジェクトは秘めている。
<図:資料計測と撮影>
(参照:四万十市より提供)
今までの七星剣についての調査としては、昭和60年に四万十市の歴史研究会と中村青年会議所が合同で成分分析、象嵌分析等の科学的分析を実施しましたが、当時の技術では正確な年代を特定することは不可能であった。しかしながら、2023年度においては、顕微鏡撮影及びX線透過撮影、それか蛍光X線調査などの最新技術を用いて調査を実施する中で、新たな可能性も浮上している。
<図:調査の報告を受けている様子>
(参照:筆者撮影)
いずれにしても、今回の年代確定調査の報告からは、調査方法の目まぐるしい発展が窺えた。とりわけこれまで元素など目に見えないものを通じて調査ができることになったことからこれまで明かされなかった史実の発見に期待している。
最後に、四万十市の住民から「四万十市は空港も遠く観光として今後課題が山積みである」という言葉が今も印象に残っている。実際に、街を歩くと閉店した店々や以前は店舗を構えていた大丸四万十店も閉店していた。こうした現状を鑑みると地方の苦労も窺える。現行の七星剣年代確定プロジェクトがもし一定の成果が公表され我が国の史実に新しい視座を与えることが四万十市への注目に繋がり、街としての認知度拡大の可能性も秘めている。坂本龍馬を始めとして我が国の歴史上、転換期とされる局面には土佐出身の偉人が関わっている。世界が2025年に向けて大きく変わろうとしている今だからこそ本件プロジェクトを引き続き支援することで、高知県四万十市の文化振興・地方創生を推進し、社会を構築して国力の増進を図る所存である。
コーポレート・プランニング・グループ 岩崎 州吾 拝
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