2009年12月第1章 本稿を始めるにあたり、読者諸兄にまずお尋ねしたい。―――「生物多様性条約」と聞いて、その内容をすぐさま答えられるだろうか 。
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今月の特集(2009年12月) “生物多様性(biodiversity)”という新しいマネーの“潮目
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2009年12月第1章
本稿を始めるにあたり、読者諸兄にまずお尋ねしたい。―――「生物多様性条約」と聞いて、その内容をすぐさま答えられるだろうか 。「気候変動枠組条約」であれば、詳しくはなくとも、一体何について定めた国際的なルールであるかを答えられる方は多いことであろう。たとえば「地球温暖化を招くガスの排出を世界的に抑えるために定められたルール」といった具合にである。日本でも鳩山由紀夫首相が先般、国連総会における演説の中で「2020年までに対1990年比で温室効果ガス排出量を25パーセント削減する」と宣言し、物議を醸したことは記憶に新しい 。これに対して「生物多様性条約」と聞いても、その字面はともかく、最終的にどういったアクション(行動)を求められているのかについて一般に知られているとはおよそ言えないのが現状であろう。