陛下は何と闘われていらっしゃるのか? (連載「パックス・ジャポニカへの道」)
昨晩、突如として我が国を覆った衝撃。
「今上陛下が生前退位の御意向を示された」
当然、宮内庁は即座に事実関係を否定しているわけです。
しかし・・・NHKがそうした軽率なことをするわけがないわけです。GHQによる圧力の下にあっても「特殊法人」としての地位をその後も守られ続けたNHKの本当の役割を知っている者であれば、これがいかに重大なメッセージ、しかも国民全体に対するものであるのかが分かります。
陛下は一体何と闘われていらっしゃるのか?
答えは・・・私たち国民一人ひとりが忖度しなければなりません。
なぜならば、陛下のお言葉は余りにも深く、決定的なものだからです。
そしてそれが発される前に、私たちは心構えをしなくてはならない。
大事なのは「時」、「この瞬間」をお選びになられているということです。
それでは今この瞬間、陛下が愛されてやまない私たちの国・日本で何が生じているのか?
「民主主義」を語っていたずらに選挙を繰り返す政治家たち。
彼らは権力に固執しています。
有権者の半分も投票していないのに、「勝った!勝った!」と騒いでいます。
そして挙句の果てにはこれまでの我が国の繁栄を支えてきた仕組みを根本から、しかも浅慮にだけ基づいて破壊しようとしています。
正に衆愚そのもの。
権力、そしてそれを取り巻く醜い欲望が、汚物となって私たちの国・日本に蔓延しているのです。
多くの者たちが私たちの中でもそれに大いなる違和感を覚えているけれども、これら”為政者“という名の餓鬼にはどうしても勝てないままでいる。なぜなら私たち自身もまた、知らず知らずの間にこの欲望の渦に巻き込まれ、それを自明として生きているからです。結局は同罪である。安倍晋三総理大臣に体現される、「餓鬼」たちと。
そうした中、陛下はお示しになられたわけです。
御自らがあえて現在の御立場から引かれること。
それによって、我が国と私たち日本人が持っている「本当の心性」とは何かをお示しになられた。
「押して、押して押しまくる」のではない。
また「口角泡を飛ばして言挙げする」のでもない。
我が国=秋津洲における本当のあるべき姿。
それは自らが引くことによって、より在るべき何かが現出する、入って来る余地を生み出すことなのです。
それが、本来、私たちの国・日本を統べる者がなすべきことであるにもかかわらず、現在の”為政者“という名の餓鬼たちは一切それを無視している。
したがって私たちの国・日本に対するこの上ない愛情から、陛下は御自ら、率先垂範、そうした態度をお示しになられた。
「日本人たるもの、かくあるべき。押すのではなく、引くこと。それが世界を垂範することになる我が国が目指すべき道である」
我執している己を改めましょう。今すぐ。
捨て去ることによって、清新なものを今この瞬間に現出させるべきなのです。
私たちの、かけがえのない国・日本に。
我執の余り、いかにこの国を私たち日本人は汚してきてしまったことか。
「原発」
「利権構造」
「権力欲」
何故に私たちの国・日本において二重王権が存続してきたのか、そのことについて意味を悟るべきです。
そして「元来の在るべき道」を示されてきたのは、人いきれに塗れた「王」なのか、あるいは自然(じねん)そのものの“気”を体現された「大王」であられるのか。
いよいよ人智を超えた世界が私たちの国・日本だけではなく、全世界に生きる人類全体を襲い掛かる直前だからこそ、陛下は御自ら、しかも引かれることによって在るべき姿をお示しになられたのです。
私たちは、日本人であることに幸せを感じなければならない。
そうした「本当の在るべき姿」を一番に忖度すべき立場にあるのだから。
愛すべき同胞の皆様。
ここからが勝負です。
我執を捨てて・・・前へ。
合掌。
2016年7月14日 東京・仙石山にて
原田 武夫記す