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遂に始まった「日本バブル第2弾」。

今月(6月)1日、我が国においては日経平均株価が再び2万円の大台を超えた。これをもって我が国においてはいよいよ円高基調における資産バブル展開としての「日本バブル第2弾」が始まったと弊研究所では考えている。なぜか?

まず確認しなければならないのは「バブルとは”自然に起きるもの“ではなく、我が国においては”人為的に起こすもの“だ」という点である。我が国の株式マーケットにおけるバブル局面、すなわち統計学的に算定できる「通常のライン」を遥かに上回るヴォラティリティーをもって金融商品等の価格がマーケットで上がっていくという現象は戦後、全て当局による直接・間接の誘導によって生じてきたのである。

それでは当局がどこに手を入れてきたのかというと、全部で2つのポイントがある。

第一に我が国が「土地資本主義」とでもいうべき、非常にユニークな経済体制を持つ国であるという点である。例えば米国勢の広大な国土に比べると我が国は遥かに狭い。しかしその「土地」が持つ時価総額はというと、世界でも第2位、米国勢の次なのである。我が国における土地とはマネーそのものなのである。

その一方で我が国経済を支えているのは分厚い中小企業の層である。この中小企業に対しるファイナンス(資金融通)の実態はといえば、結局は不動産担保融資なのである。信用保証協会を通じた無担保融資が行われる場合がほとんどだが、その場合でも経営者には連帯保証が求められる。それではそこでの審査の実態はどうかというと、結局はその経営者がどれだけの不動産を保有しているかによって判断されているのだ。

当局としてはこうした実態を巧みに使っている。つまり、好景気に持っていきたければ不動産がバブルになるように仕向ければ中小企業主たちが持つ不動産の担保価値も上がり、それだけ融資も多く行われるようになるのである。逆もまたしかりなのであり、したがって我が国においてバブルが発生するかどうかは、こうした「調整弁」としての不動産マーケットに大量の資金流入が生じるような決定的な動きが起きるかどうかにかかっているのだ。

そしてもう一つのポイントとなっているのが、一般大衆への資金融通である。金融マーケットにおける鉄則、それは「情報リテラシーの無い大勢の者に最後は高値で転売し、売り抜けること」である。そのため、無数にいる一般大衆がカネを持つ様に仕向ければ、自ずからそのための舞台装置は出来上がるというわけなのだ。もっとも一般大衆は日々の生活で忙しい。日銭を稼ぐのに必死なのだ。だがそれでも「金融マーケットに関わる方が目に見えて儲かる」となると話は別なのである。一斉になけなしの小金をもってマーケットでの投機(≠投資)を始める。そこで「カリスマ個人投資家」なるものが煽られる様になると、射幸心に眼がくらんだその他大勢も参加し始め、マーケットは狂乱状態になる、というわけなのだ。

何を隠そう、1980年代半ばからの「平成バブル」もこの2つのレヴァーを巧みに当局が用いた結果、生じたものだったのである。まず第1の点について言うならば、「プラザ合意」を経て強烈に生じた円高転換の中で「内需主導」と称し、不動産開発を当局自体が推奨した。その結果起きたのが「地上げ」だったわけであり、不動産バブルが発生したのである。

2の点について大きな役割を果たしたのが「消費者金融」すなわち“サラ金”である。街角で24時間、気軽に10万円、20万円が引き出せるような仕組みを当局があえて許すことにより、一般大衆はカネに群がることが出来た。しかも高金利政策を当局がとっていたため、仮に株式投資をせず、銀行預金をするだけでも大儲けすることが出来たのであった。例えば「平成バブル」が終わる1990年当時の長期金利は我が国において6パーセント(!)であった。

それでは今この瞬間はどうなのだろうか?実はここで述べた「2つの基準」という思考の枠組みをもって見た場合、正にそれが満たされた瞬間、それが先月(20175月)末から今月(同6月)頭の展開だったのである。

まず、不動産マーケットについて見るならば、大手銀行が資金供給して支えてきた不動産投資信託(REIT)マーケットが踊り場に差し掛かってきた点がポイントだ。我が国政府は今の約2倍に上る30兆円市場へ育成する目標を掲げている。そうしたさらなる成長を目指すには安定した資金調達網が不可欠なわけであるが、そうした政府の意向を正に「忖度」する形で、三菱東京UFJ銀行が初めて地銀や機関投資家に融資債権を売り、大手行以外から調達するすそ野を広げた。すなわち同銀行はREIT融資を証券化して、投資家に販売するという手に出始めたのである。具体的には第1弾として先月(5月)31日に同行のグループ会社である三菱UFJモルガン・スタンレー証券を通じてそれを販売し始めたのである。11000億円の融資のうち、年間2千億円程度ずつ需要を見ながら売っていくと考えられている。

実はこのREITを巡る証券化こそ、かのリーマン・ショックの元凶となった動きそのものなのである。しかしそれをあえて我が国当局が認める中、メガバンクが導入し始めたというわけなのである。1行が行えば他行もこれに続くことは目に見えている。この業界で有名な野村不動産を巡り、私たち日本勢の「郵便貯金」を握る日本郵政がなぜ買収という奇策に出たのかといえば、実はこうしたバブルへ向けた「国策誘導」があったというわけなのだ。

いずれにせよ、REIT相場が再び来る中でこれが徐々に我が国の不動産マーケットを着実に上昇させていくことは目に見えている。その結果、「不動産担保信用」があらためて活性化し、とりわけ中小企業主たちに対する資金融通が盛んに行われるようになっていくのだ。

次に一般大衆の懐具合と直結する動きとして見るべきなのが「仮想通貨」の価格の乱高下なのである1年前には1単位あたり5万円程度であった仮想通貨「ビットコイン」はここにきて瞬間的にではあるが実のその6倍以上である30万円をマークした。これに一般大衆が射幸心を煽られないわけがないのである。実際、今年(2017年)1月の段階では流通しているビットコインの8割を中国勢が保有していると考えられていたが、現在ではマーケットにおいて取引される5割が何を隠そう私たち日本勢によって占められるようになっている。そう、私たち日本勢は十分、仮想通貨によってマーケットにおびき寄せられているというわけなのである。

今年(2017年)中にはこれに、メガバンクたちがこぞって開発している独自の「仮想通貨」が続くのである。これまでは「ビットコインは最後の最後、どうなるか分からないし、誰もそこで助けてくれないのでは」と考えていた我が国一般大衆も、信頼のおけるメガバンク自身が「仮想通貨」を発行し、それを保有することを奨励・優遇し始めるとなると話が違うのである。しかもそれが値上がりを続けるビットコインと連動しているような仕組みを持つのであればなおさらなのである。預金金利と言う形での分配ではなく、事実上、一般庶民にも「遊び金」をこうした仮想通貨を通じて与えられるのであれば当局にとってはねがったりかなったりなのだ。そしてしばし仮想通貨によるギャンブルで小金を創ることに成功した一般大衆はより大きな儲けを狙って今度はREIT、あるいは日本株マーケットへとそのカネと突っ込んでいくというわけなのである。

以上の2つの要因がいよいよ揃ったからこそ、日本株は急騰し始めたというわけなのである。そして外国勢は明らかにこうした政策誘導の実態を緻密に分析し、あらかじめ「知っていた」からこそ、昨年(2016年)10月頃より、日本株が下がった時には必ず買い越し、買い貯めてきたというわけなのである。そう、彼らはこれから「日本バブル第2弾」が生じることをあらかじめ知っていたのだ。

無論、リスクも今後大いに“炸裂”して行く。戦乱のリスクが典型であり、早ければ来月(7月)中旬を目途に第2次朝鮮戦争が勃発し、10日ほど戦乱が発生するというのが弊研究所の維持している現在のメイン・シナリオである。無論、そうなれば我が国株価は暴落する。しかし日本円は「売られる」のではなく「買われる」ことになり、どういうわけか円高になるはずだ。細かいことは紙幅の都合上、ここでは書かないが、要するに戦争の主体である米国勢の戦費調達を支えているのが実は我が国財務省・日銀による米国勢に対する「日本円建て資金融通」なのであり、そうである以上、米国勢はこぞってこの日本円高を推し進め、もってそれを担保としてFRBが発行するドルが安くなり、大量発行が可能となるよう仕向けるからだ。そして、ひとたび戦乱が短期間で終われば、日本株は再び急騰する。なぜならば戦乱の終了は今回、「北朝鮮の体制崩壊」を意味するからだ。そう、第2次朝鮮戦争は絶好の買い場として米欧系の”越境する投資主体“らによってとらえられているのであって、その勃発直前までまずは強烈な「上げ」へと日本株は誘導される一方、暴落後の「上げ」もまた凄まじいものへとこのままだとなるというわけなのである。

アベノミクスとは経済産業省がいかに美しいプレゼンテーションをしようとも、要するに日銀・財務省による円安誘導による諸外国勢からの国富移転としての「日本バブル第1弾」に過ぎなかったのである。しかし我が国におけるバブルは常に「円高」から始まっているのである。そして今、再び円高基調となる中で以上の仕組みによって発生するバブルはこれとは明らかに異質なものなのであって、「日本バブル第2弾」と呼ぶにふさわしいものなのだ。日本株が急騰する中、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」にも似たお追従が諸外国勢から次々に聞こえてくるようになり、小金をもった一般大衆たちはこの夏以降、我が国の街角で乱痴気騒ぎを繰り広げるようになる。世間ではカネにまみれた話ばかりが聞こえてくるようになるはずだ。

だがThis time is different,すなわち「今回は違う」のである。このバブルの逃げ足は凄まじく早く、しかし強烈なヴォラティリティーをもたらすものなのだ。瞬時にして急騰と暴落が生じる中で、それでも生じるはずなのがそこでの「勝者」である。かつて世界大恐慌の際のNYマーケットにおける株価暴落で、かのJ.F.ケネディの父親は自らが持つ資産を650倍(!)にまですることに成功したのだという。これが後の「ケネディ王朝」とまで言われる一族の繁栄を導いたことは言うまでもないのである。

「日本バブル第2弾」のゴングがいよいよリングに鳴り響いたのである。それでも動くことが出来ないのか、あるいは既に機敏に動き、緒戦を飾っているのか。―――私たち日本勢は今、数百年に1回しか訪れない、歴史上の分岐点に到達している。それを生かすも殺すも、あなた次第だ

 

201765日 東京・丸の内にて

原田 武夫記す

 

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