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「グローバル進出する日本企業が直面する課題」~第25回 トラブル―一般編

秋晴れの青空にはなかなかお目にかかれず、毎日雨ばかりのパリです。冬時間になり、午後5時には日が落ちてしまうので気が滅入るばかり…。欧州では冬になると鬱病患者が増加するらしいですが…納得です。

さて、今回は海外に滞在しているときに巻き込まれてしまう可能性が高いトラブルについて、前回は自動車関係について述べたので、その他の細々としたよくあるトラブルについてお話してみたいと思います。

海外で働いている際に、命の次に重要なのはパスポートとクレジットカードでしょう。その非常に重要なクレジットカードで頻繁にトラブルが発生するので、実際仕事にも支障をきたしかねません。まずはスキミングのトラブル。出張が多いとカードの使用回数が格段に増加しますが、明細をきちんと確認していないといつの間にかスキミングされて他の国で使われているようなことがあります。辺鄙な場所で使われている、或いは金額が大きい場合には、銀行側で不審に思い連絡してきてくれることもありますが、実際自分が行くことのある他国で使用されていると気付かないばかりでなく、気付いて銀行側に不正使用である旨伝えてもそれを証明する手立てがないと返金が難しいこともありえます。怪しい店に行ったわけでもないのに、普通の高速道路沿いの給油所などでもスキミングされたことがありますので気を付けなければいけません。あまりにこうした被害が多いので、銀行側も少し金額が高いとカードで支払えないように自動ブロックをかけていることもあり、これがまた厄介です。ゴールドカードなのに2500ユーロ程度で支払いが受け付けられないことも度々起こり、急ぎで出張手続きをしなければならないのに航空券がネットで買えない等という事態となり、ただでさえ忙しいのに余計な手間暇でイライラ倍増…ということがよくあります(笑)。

カードつながりでいえば、ネットショッピングも日本よりトラブルが多いです。ショッピングそのものでは、複数個物を買った時に足りないといったこともたまに起こるのですが、どちらかというと配送に問題がある場合がほとんどです。買った物が郵便事故で届かないことも割と頻繁に起こりますが、マンションに住んでいる場合等は、物を代理で受け取った管理人が忘れてしまっていて物が紛失するとか、代替品を請求した後に管理人が物を持ってくるようといった人的トラブルもあります。郵便事故で多いのは、届かないことよりも明らかに封書や小包が開けた跡があり、入っているはずのものが無い或いは足りないという事故です。日本から送られてきた封書に入っていた子供宛のシールが盗まれる等、盗まれるとは思ってもいないものまで盗まれるので、特にネットショッピングで買った物が届いた際に外箱に損傷などがある場合には、開ける前に必ず写真を撮っておいたほうが無難です。アマゾンでスマホを買って届かなかった人が周囲に何人いることやら…(笑)欧州では、一般的に日曜日はお店が閉まっているので、仕事をしている人間にはネットショッピングがやはり重宝なのですよね~。どれだけトラブルがあるにしても…。

他にトラブルを起こしやすいものと言えば薬です。日本人は欧米人に比べて身体が小さいので、薬が効きすぎてしまう、或いは副作用が強く出てしまうことがよくあります。眠気を催す薬は、服用した場合に運転に気を付けるよう1-3まで運転危険マークがついており、例えば1であれば「薬を服用したら必ず説明書を読まずには運転しないように」と注意書きが書いてあるのですが、少なくとも私には下手な睡眠薬よりよっぽど効きます(笑)。とても運転などできません。手術後に処方された痛み止めを飲んだら、吐き気と眩暈がひどすぎて起き上がることもできなかったようなこともあり、新しい薬を使用する時は自分で注意しなくてはいけないとしみじみ思ったものです。薬と同様、検査結果等も数値幅がアジア人と欧米人では異なることもあり、医者の意見を鵜呑みにしてはいけない場合もあるようです。例えば女性の場合、欧州では30代の妊婦には母体血清マーカー検査が当たり前のように勧められ健康保険も適用される(フランスでは全妊婦を対象に無料で検査)のですが、アジア人女性は欧米人女性より数値が高く出やすいと当時産婦人科の先生から私自身は説明を受けたものの、全くそのような説明がなく似たような数値にも拘らず羊水検査を勧められたという同い年の女性もいました。医療関係では、赴任者や出張者はアメホス等の言葉が通じる大病院にかかる場合が多いのでトラブルは起きにくいと思いますが、子供がいる場合には救急病院に掛からなければいけない状況も起こり、その際には言葉が通じないが故にトラブルが起きる可能性もあります。そもそも救急病院に運ばれてもよほどの急患でない限り5-6時間放置されるのは当たり前のことなので、それを理解していないと言葉が通じていないから処置してもらえないのではないか、後回しにされているのではないかと疑心暗鬼になってしまい、トラブルの元となりかねませんので注意が必要です。

世界のどこにいても多少のトラブルはつきもの!どんな事態が起きても対処できるだけの対応能力を養っておくに越したことはありません。

 

プロフィール

川村 朋子

元外交官。大臣官房儀典官室、在フランス大使館、在ガボン大使館にて勤務。     現在は在仏日系企業に勤務。留学、外務省時代、現在と在仏歴通算15年以上。

リヨン第二大学歴史学修士、リヨン政治学院DEA(博士予備課程に相当)取得       主な論文に「アンシャンレジーム期のリヨンの倒産・破産状況」「日本の軍事問題の現状」がある。

 

 

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