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「イラン戦争」の本当の目的。(原田武夫の”Future Predicts.” Vol. 76)

「イラン戦争」を巡って新たな局面が到来したと今朝(28日朝)からマスメディアたちが”喧伝”している。米国勢のトランプ政権は「交渉」していると言いつつも、同時に「陸上戦」に向けた準備も進めていると豪語する姿勢を崩していない。しかし、さしものトランプ米大統領による「流言」もマーケットを一方的に動かす流れにはならなくなっているとも伝えられている。事実、今(28日午前現在)、日経平均株価の先物価格が海の向こうで「2000円近くもの大幅下落」となっている。トランプ米大統領が語っているとおり、「交渉がまもなく妥結される」のであればあり得ない展開である。そしてそうした煽りを受けてか、暗号資産マーケットでも大きな動きが生じていると続々報じられている。曰く、例えばビットコイン(BTC)は大口投資家たちが次々に「現金化」しているとも”喧伝”されており、そうした動きを踏まえ、徐々に時系列分析のため弊研究所が開発したAIツール「Prometheus」がはじき出してくれたとおりの「明らかな下落局面」へと、時折強めのトレンドを織り込みながら展開し始めている。このタイミングで我が暗号資産自動売買システム「JINMU」は”想定内”とはいえ利益確定(Take-Profit, TP)をしてくれた。政策的かつ人為的に「置きに行く」マーケットではない側面が強い暗号資産マーケットとは言われるが、他方でここに来て大量の上場投資信託(ETF)がビットコイン(BTC)を中心に設定されているため、必ずしもそうではない側面が出てきていることは事実だ。しかしさしものトランプ米大統領の「TACO(=Trump Always Checkens Out.)」ぶりが徐々に当たり前になってくると、それがstrategic narrativesとしてマーケットに突き刺さることも無くなり始めている。そうなると、マーケットは徐々に時系列分析で割り出すとおりに動く側面が強くなってくる。正に前述の我が「Prometheus」が効力を発揮する側面が到来していることを強く感じている。

さて。事ここに来て「これから何が起きるのか」とさすがに考えていない読者の方はいらっしゃないかとは思うが、折角の機会であるのでこの場で卑見を整理しておきたいと思う。無論、「最上流」の考えについては昨日(27日)にリリースした音声レポート「週刊・原田武夫」(特別号)において詳述しておいたのでそちらを是非お聞き頂きたいわけであるが、そこから零れ落ちて来る部分も含め、以下のとおり述べておくことにしようと思う。

―まず、法定通貨の価格という意味では「米ドルが圧勝」となっている。ここ数年、価値を相対的に上げてきたスイス・フランですら対ドル・レートでは下げており、「米ドル一強」といったところである。実のところ、数年前から米国勢は「ドル安誘導による輸出産業振興とそれに伴う国外からの国富移転」というマクロ経済運営方針を放棄し、「とにかくドル高に誘導し、米国において情報・半導体産業を栄えさせる中でそれに裨益したいのであれば国富を米ドルに転換した上で米国勢の国内に持って来い」という政策に転換している。トランプ米政権のオリジナルではなく、この政策はそれより前から明らかになっていることを我が国の例えば金融当局は知っている。そしてその意味では「米ドル一強」の状況は正に的確な政策誘導であったわけであり、「イラン戦争」はその意味で成功であったということになる。

ー次に既にイラン勢の攻撃によってカタール勢は液化天然ガス(LNG)施設の復旧には「今この瞬間に終戦となっても5年程度かかる」と言い出している。石油についても同じなのであって、これからそのレヴェルよりも戦局、そして状況が悪くなるしかないことを考えると、「化石燃料」がマーケットから消え始めるという中長期的なトレンド転換を全世界が覚悟しなければならない。我が国はその筆頭なわけであるが、しかしそうだからといって安易に代替エネルギーだけに転換すれば良いものではないだろう。実はこの状況を脱するためにはかつて流行った「省エネ」が一番ということになってくる。つまりインフレ誘導の状況における最適解であった「大量生産・大量消費」に対する最大の有効策は「省エネ」、つまり「足るを知る経済」への転換なのである。これに我が国のどの企業が一番最初に気づき、最適解を導き出すのか、また我が国当局が気づくのかがカギとなってくる。

―エネルギー構造はそうした中で否応なく変わり、石油・ガスといった「化石燃料」から代替エネルギー、とりわけ「太陽光」へと転換を余儀なくされる。しかし従来型のそれではなく、発電効率が遥かに良い「量子ドット太陽光発電」でしか対処出来ないことが明らかとなってくる。そしてこうしたエネルギー転換が、それに連動した金融構造の転換を招くわけであり、そこでの鍵は「量子技術+人工知能+ブロックチェーン」ということになってくる。後2者については既に成熟しているわけだが、問題は量子技術なのであって、そこでは単純な「アニーリング」を越えた技術の開発が急がれる。カギを握るのは発想の転換であり、「二項対立のデジタル」から「グラデーションであるアナログ」への回帰をいかにして根本から実現するかである。この部分のブレイクスルーが生じることによって上記の様なグローバル金融システムの転換は生じることになるわけだが、どうやら既に「ロードマップ」をバーゼルあたりは持ち合わせている様に見受けられる我が国がどこまでそうした流れに貢献できるのかがカギとなってくる(単に和製ステーブルコインを出せば良いという話ではないのだ)。

―米国勢、イラン勢共になぜか今の段階から「金銭的要求」を互いに押し付け始めている。これは全くもって不思議な話であるわけだが、相互に支払能力があるのかというと全くもってそうではない。そうではなくて、「グローバル社会の根源」からいわば温情的な支払が(このまま行くと人類史の終焉をもたらしかねない戦争を終結させたことに対する「御駄賃」として)なされることを強く期待し、ある意味、そこでの支払授受システムのアイデアを巡って、実はこれら両国勢は競っているのであって、鼻から米国勢もイスラエル勢=ユダヤ勢=アシュケナージ勢の口車にのってイラン勢を潰すつもりなど無いのだということを理解しなければならない。そもそも米国勢は問題となっているウラン濃縮についてブッシュ(父)・プーチン間で合意をしており、「低濃縮ウランはロシア勢が、高濃縮ウランは米国勢が」という風に市場分割をしている中、ロシア勢の傘下にイラン勢はいるからだ。むしろそこがポイントなのではなく、肝心なのは「世界最大の資金主である第三者から、いかにして、またどれだけ莫大な量の資金をひねり出させるのか」が両国勢の関心であることを踏まえれば、今そしてこれから何が起きるのかが良く分かるのである。その意味で、世界中のリーダーシップの関心は「東京都千代田区の真ん中」に向いている(永田町や霞が関ではない)。

昨日(27日)、ミラノから一時帰国した親しい知人と夕食を共にした際、偶然、とある御方が「トランプが年内に殺害される」と呟いていると耳にした。さにあらんと想う一方で、そうもありなんと思えてしまのが実に不可思議ではある。いずれにせよ、今、世界のトップで顔をさらしている御仁たちは実に大変である。一連の流れには明らかに「練りに練ったシナリオ」が、かつて1980年代後半から2000年頃までについてあった様に(「ベルリンの壁崩壊」→「ソ連崩壊」→「米国一強の状況」)、本当はあるはずなのだが、それが見えないからである。恐らく起案者はプラハの時計台のあたりにいて、承認したのはサンピエトロ寺院の脇にある執務室にいる御仁なのであろう。そして米軍ですら、トランプ米大統領が「最高司令官」では実は無い中、動かされているというのが実態なはずであり、しかも厄介なのは、このタイミングでサンピエトロ寺院の御仁たちはというと「平和の訴え」への請願を、世界中で奉願帳型式で廻し、署名を求めているのである(先日、かくいう筆者のところにもローマから廻ってきた)。

いずれにせよ、本当の焦点はホルムズ海峡ではない。美しく桜が満開となり始めている我が国の「真ん中」なのである。そして今はただ、御風邪を召されたとしてしばし公務を外されていた聖上の御姿を慮ることとしたい。さて次にどの様なお言葉述べられ、どの様に振る舞われるのか。それこそが、「次の時代」に向けてのヘラルドなのであるから。

2026年3月28日 東京の寓居にて

株式会社原田武夫国際戦略情報研究所 ファウンダー/代表取締役CEO/グローバルAIストラテジスト

原田 武夫記す

(*弊研究所では引き続き、こうした「次の次」の時代を共に創造するメンバーを募集しています。こちらこちらの記事をご覧頂き、是非ご関心のある方は「Pax Japonicaに対するご自身の想い」を400~600字以内でまとめた上でメール(recruit●haradatakeo.com(●は@です))までご連絡下さい。皆様のご応募をお待ちしております。)