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2024年6月。「アマテラスの国」が動く時。(原田武夫の”Future Predicts”. Vol. 4)

「スティールメイト(Stale mate)」とは今の様な状況のことを正しく指すのであろう。ありとあらゆるところで「これ以上、物事はこの方向では進まない」ということが分かっているものの、どうしても動くことが出来ない。しかしだからといって、1秒でも「その他のすべて」よりも早く動き出してしまうとむしろ一気に叩きつぶされてしまうのかもしれないのである。だからこそ、全てが、そう「全て」が身構えつつも、動きを止め、息をひそめている。とはいえ、時たまイレギュラーなことはそれでも生じる。一見すると順列不動に生じるそうした事どもの背後にあるサイファー(cypher)を読み込みつつ、「これから」何が本当のところ起きるのかを探る。---そうした営みを日々続けている中で、確信にまで至ったことがある。
それは「2024年6月から動く」ということだ。無論、思い込み等といったレヴェルではない。事細かな、now and here(今・ここ)のレヴェルから始まり、ズームアウトをして引いてみたところから眺めるとようやく見えて来る俯瞰図に至るまで、明らかにそこでの焦点は「2024年6月」へと至る道のりを辿り始めたのである。グローバル・リーダーシップたちはどうやらあらかじめこのことに気づいてた様である。ありとあらゆるところでいわゆる「外交日程」が6月へと収斂し始め、そこでの「決めごと」をスタート地点に新たな物語が紡がれようとしている。無論、国際政治の出来事だけではない。それこそ「神事」から始まり、安全保障、グローバル金融から、地域紛争、さらには社会的な出来事、文化上の転換も含め、全てがこの一点、そう「2024年6月」へと吸い込まれる様に収斂し始めているのである。
事細かに言えば、それでもなお、タイミングのわずかな違いというものはあるであろう。だがそのことをあげつらっても何の意味もないことはやがてわかるはずだ。なぜならばこれまで一見すると偶然に次々と生じているかの様に見える事どもは実のところ、「この一点」を跨いだその向こう側へと向かうために紡がれてきた出来事の群がりなのであって、例えていうならば「ニュートン力学第3法則」にあるとおり、「前に進むためにはむしろ後ろ向きに力を入れなければならない」からこそ、様々な出来事はあるべき方向とはむしろ逆向きへと生じせしめられてきたからである。
例えば、いわゆる「新自由主義」という現象。1980年代に我が国が「平成バブル」に酔っている最中、米欧ではこの「新自由主義」がいつの間にか席捲し始めた。そして21世紀に突入するや否や、ほぼ圧倒的な力でグローバル社会全体を覆い始めたのである。出遅れたのは我が国であり、「昭和への郷愁」の中で私たち日本勢は完全にこの潮流に乗り損ね、未だに「新自由主義VS昭和親方日の丸主義」とでもいうべき内部抗争を繰り広げている。だが、心配することなかれ、新自由主義そのものが今度は明らかに崩壊し始めているのである。何回か演出された「危機」の中で歴史的な金融緩和が続けられ、そこで湧きあげられたマネーは新自由主義の騎手たちの手元に莫大な富を確かにもたらした。しかし、パンデミックの時代に私たちは気づいたのである、「マネーは命があってこそ意味があるというものだ」という余りにも素朴な、しかし基本的な真実を。そしていよいよ、これまで新自由主義を支えてきたデジタル・トランスフォーメーションとその根幹にある「ムーアの法則」が効かなくなる中、反イスラエル=ユダヤ主義(antisemitism)という形で米で、そして欧州でZ世代たちがその不満をぶちまけ始めたのである。そうしたムーヴメントの根幹には「もはや時空間をいかにして利用しようとも、莫大な富を後続の若き世代が手にすることは出来ない」という壮絶な絶望感、失望感がある。つまり、近未来はむしろ新自由主義とは裏腹の流れになることは必定なのであって、世界は着実にそちらへと歩みを続けつつある。
あるいは曰く、「ユダヤ勢問題」について。ロシアのプーチンは「ナチズム」を理由に突如としてウクライナ東部でのロシア系住民保護を理由に侵攻を開始したのが「ウクライナ戦争」だ。戦況は明らかに膠着し、西側各国はなおも武器支援をウクライナのゼレンスキー政権に対して行ってきている。そうした中で肝心のゼレンスキー同大統領に対する「暗殺計画」が着々と途中まで進行していたことがこここで明らかになった。側近中の側近である警護官ら複数名が関与していたこの「暗殺(assassination)」未遂事件をゼレンスキー政権側は「ロシアの所業」と断罪している。しかし、何かが明らかにおかしいのである。なぜならばプーチン露大統領が元凶であるとするならば、西側諸国は一斉に同大統領率いるロシアと断交するのが筋というものであろうが、しかし米国をはじめ西側諸国は一切、「国交断絶」にまで踏み込んでいないのである。それどころかここに来てむしろゼレンスキー・ウクライナ大統領とその周辺による「蓄財」までもが西側メディアにおいて公然と語られつつあり、事態は明らかに「あらかじめ想定されていた方向」とは異なる向きへと動きつつある。しかもそうやって明らかに不可思議な展開を「ウクライナ戦争」が見せる中、突如として始まったのが「イスラエル戦争」なのである。「血の臭い」がするところに公然と現れ、武器供与をしては多額の儲けを得てきたのがイスラエルであるが、それがどうしたことか、今回「ウクライナ戦争」では最後の最後まで腰が引けていたのが印象的であった。多くの「イスラエル人」たちが元来はウクライナ系ユダヤ人とでもいうべき者たちであり、これまで同国で行われてきた「カラー革命」に際して影を見せてきたのがイスラエル兵たちだったことはもはや公然の事実である。しかし「今回は違った(This time is different.)」のであって、「ウクライナ戦争」が勃発して以降、むしろイスラエルは息をひそめてきた感がある。それがどういうわけかイスラム系武装集団「ハマス」による決死の攻撃が突如として行われたことで「イスラエル戦争」が始まったのである。武力の面では圧倒的なはずのイスラエル側は明らかに苦戦しつつも、ガザ地区への侵攻を続け、ついにはラファ地区への総攻撃を開始せんとすると今度はこれが国際法の禁ずる「大量虐殺(genocide)」にあたるから絶対に止めろと唯一無二の「友邦」であるべき米国にまで言われる始末だ。アシュケナージ(Ashkenazim)」という意味での「ユダヤ人」がつなぐ二つの戦争は明らかに連動する中、今や最終局面を迎えつつある。そして決定的となる真実の時(the moment of truth)は、計算し尽くされたかの様に来月(6月)に訪れることとなる。
目線をグローバル金融マーケットに転じても同じなのだ。GWを狙って行われた我が国の「円安介入」は全くもってご愛敬であるとしても、米連邦準備制度理事会(FRB)を筆頭とした中央銀行家たちの動きは余りにも怪しすぎると言わざるを得ない。こうした場合、物事はたいてい米国からではなく、欧州から動くわけだが、早くもスウェーデン中央銀行が25ベーシスポイントの利下げに踏み切ったと聞く。金利差の拡大を嫌う欧州中央銀行(ECB)がこれに追随するのは目に見えており、やがてここに米国が加わることになって「利下げ」の大合唱となっていく。これもまた来月(6月)のメイン・イヴェントなのである。その時、どうなるのかといえば「これまで下がっていたものが引き上げられ、上がっていたものは引きずりおろされる」ことになる。主要先進国の中では唯一、「利上げ」に出遅れたが我が国が「金利引き上げ」「円高転換」を推し進めることになる一方で、それ以外のすべての中心的な国々は「利下げ」「通貨売り」へと転じていく。その結果、怒涛のマネーが我が国へと流れ込むこととなり、我が国は「何も自らはしていないのにあたかも資産バブルであるかの様な状況」へとしばし転じる(「日本バブル」)が、その実、実体経済にその契機がないために今度は逆向きに凄まじい「転落」へとややあってから様相を展示させることとなる。「日本デフォルト」の始まりである。
「なぜこのタイミングに、そうなるのか」ー--そう考えた時、忘れてはならないのがズームアウトし、俯瞰図で物事を見るという癖に他ならない。「これまでのやり方」から一斉に私たち人類が転ずるのであれば、そこには万人に共通の「何か」が生じる必要がある。そして最大限ズームアウトして見えて来る、その「何か」が何であるのかと思いを巡らす時、このタイミングで明らかに選ばれている我が国が、かつて「アマテラスの国」であったことに気づくのである。アマテラスとは、一般に「天が照らす」という意味だと素朴に解釈されている。しかし子曰く、「アマを照らす」と解釈するのが正しく、照らされているものこそがアマなのであって、すなわち地球そのものなのだ。したがってアマテラスとは地球が照らし出されているという「状態」そのものを指し、すなわち太陽から燦燦と降り注ぐものが地球へとたどり着くこと、さらにはそれによってもたらす作用のことを言うのである。そして太陽から降り注ぐものは万人を等しく照らし出し、しかもここでいう「照らし出す」とは比喩的表現であり、あらかじめ全ての人類にインストールされていた「何か」がそれによって起動される時、一斉に世界システムから私たちの在り方、発想・行動のすべてが転換し始めるというわけなのである。
かつて全身に入れ墨をまとい、魚たちと一体化して暮らしていた海人たちが海岸沿いに暮らす我が国に、この意味での「アマテラス」を知った一族たちが訪れ、両者が和合する中で出来上がったのが、白地に「丹」のマルを国旗とするニッポンであることを私たち日本人がまずもって思い出す時。これから来月(6月)より生じることの意味はよりはっきりと浮かび上がって来る。だが、私自身は全くもって楽観していない。むしろ、既に太陽フレアの爆発的な発生によって生じている「アマテラスの時」にあって、相も変わらず当面の間、最も愚鈍な認識と行動を続けるのは間違いなく私たち日本人であり、その結果、「アマテラスの時」はまずもって我が国における悲劇を生じせしめるからである。すなわち「日本バブル」から「日本デフォルト」への電撃的な展開がそれなのであって、もはや人智を超えないレヴェルではそこでの惨劇が止められないことを他ならぬ私たち日本人が悟る時、ついに人類全体にとっての「真実の時」が始まるのである。そして現象へのこだわりから逃れられなかった従来型の科学は、その裏側において実質的な潜象をも包摂する「新しい科学(die neue Wissenschaft)」へと音を立てて転換し、この新しい科学に則った形で全く新しい世界史が始まっていく。
その意味で、こらから訪れる2024年6月は私たち人類全体にとって絶対に忘れられないひと時となる。そのことを、先んじて備え、後になって決して忘れ去らぬよう、ここにはっきりと記しておく。This is the last call to face the age of “Pax Japonica”.

2024年5月11日 東京・丸の内にて
原田 武夫記す

*弊研究所代表・原田武夫書き下ろしによる「原田武夫の”Future Predicts”.」。いかがでしたでしょうか?この話の「続き」を知りたい方、とにかく”もっと知りたい”と思われる皆様のために、「2024年夏・IISIAセミナー」を来る7月20日(土)に東京・有楽町の国際フォーラムにて開催いたします。第2部はこれまで弊研究所のセミナーにお出で下さったことの無い方々を対象とした無料セミナーです。詳細とお申込みは今すぐコチラよりどうぞ(クリックすると該当サイトにジャンプします)。