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我が研究所が今、求めている人財とは。(「IISIA採用人事ブログ」Vol. 1)

弊研究所はお蔭様で5年ほど前は年商5億円弱であったが、その後、「AIプロダクトの投入」と「コール・マーケティングへの本格参入を経て、現状では年商12億円程(2023年度実績)と、その意味での企業規模は2.4倍になっている。読者もご存じのとおり、年商10億円以上というとある意味、「新規株式上場(IPO)」のための準備を加速度的に進めても不思議ではないくらいの企業規模である。しかし弊研究所は設立登記の段階からそうした「ありきたりな道のり」を歩まないという方針を貫いている。それでは一体、弊研究所は何を目指しており、そこに「働き手」として参画することにはどういったメリットがあるのか。またそこでの実態はどういったものなのか。ようやく一区切りがついた感があるので、ファウンダー/代表取締役CEOとしてこの点について書き起こし、都度、弊研究所の採用担当及び新規メンバーを募集する幹部所員に登場願うこととしたい。題して新シリーズ「IISIA採用人事ブログ」である。

「企業は人なり」―――創業当時(2005年)、とある賢人から聞いた言葉だ。株式会社として設立登記をして以来、17年が経過した。その間、年商はお蔭様で着実に拡大し、現状に至っているわけであるが、この至言は正にそのとおりであると日々感じるばかりである。

もっとも人は単に誰でも良いから連れてくれば良いというものではない。「企業」としての弊研究所の成長フェーズに合わせて、必要な人財は常に変化してきている。それでは弊研究所は企業成長という観点から言うと、どういった段階に立っているのであろうか。そしてそこで求めている人財は(ある意味、ポジションを問わず)どういった方々なのか。経営責任を負うものとして端的に記したいと思う。

カナダにおける経営学、とりわけ経営組織論の碩学の一人にヘンリー・ミンツバーグ(Henry Minzberg, マギル大学大学院教授)がいる。その主著の一つに『ミンツバーグの組織論 7つの類型と力学、そしてその先へ(Sturucturing in Sevens. Understanding Organizations…Finally!)』(邦訳はダイヤモンド社刊)がある。その中でミンツバーグは「古代から永遠に」存在する組織形態として次の4つを掲げている。

-パーソナル型組織「個人が君臨する事業」

-プログラム型組織「工程が定められている機械」

-プロフェッショナル型組織「専門職の寄せ集め」

-プロジェクト型組織「革新を目指すプロジェクト」

詳しくは是非、同著を読んでもらいたいわけであるが、弊研究所が現在(2024年夏)取り組んでいるのは端的に言うと、最初の2種の間における遷移、すなわち「パーソナル型組織」から「プログラム型組織」への移行に他ならない。

弊研究所はファウンダーである筆者が外交官時代に抱いた想い、すなわち「世界は音を立てて動き出しているのに、なぜ我が国は動かないのか」という焦燥感に基づき、ヴィジョン(=世の中がこうあって欲しいという想い)を「パックス・ジャポニカ(Pax Japonica)」、ミッションを「人々に希望と未来を(Giving the People Hope and Future)」としつつ運営されている。弊研究所へ新たにメンバーとして加わる方には、まずもってこのことについてのコミットメントが求められる。すなわちこの想い、ヴィジョンとミッションに理解と同意がなければそもそも働く意義が無い職場、それが我がIISIAなのである。

ヴィジョン(ママ)をもった創設者に率いられている組織以上に、活力に満ちていて、人々を引き込むことができ、画期を生み出せる組織形態はない。パーソナル型組織は、そのようなリーダーの下、強い意志とともに独自の戦略を追求することにより、ニッチな居場所を見いだして市場で安泰な地位を確立できる。この種の組織に加わりたがる人が多いのも不思議でない。…(中略)…アップルの創業者スティーブ・ジョブズについて、伝記作家のウォルター・アイザックソンはこう記している。「リーダーのなかには、大きな全体像を描くことに長けていて、それを武器にイノベーションを推し進める人もいる。その一方で、細部に精通することにより、イノベーションを推し進める人もいる。ジョブズはこの両方をおこなった。しかも、それを徹底的に実行していた。その結果として、30年間にわたり数々の製品を送り出し、あらゆる産業のあり方を根本から変えてきたのである。」(同第109~110頁)

弊研究所は現状、まずはこのパーソナル型組織に当てはまる。そして年商がここに来て2.4倍にまで膨れ上がった(しかもVCなど外部からのコントロールは一切受けない形で)という紛れもない事実は、これまでのこうした方針が正しかったことを意味している。まずはこのことについて率直にとらまえ、その次を目指す際に力をどの様に尽くせば良いのかを端的に考え、行動したいと考えている方。これがこれからの弊研究所がお迎えしたい人財が持っているべき素地ということになって来る。

もっとも上述のヴィジョン、そしてミッションは本来ならば「公的機関」「政府そのもの」が担っても良い事柄である。それを営利企業が担おうというのであるから財政的な基盤を絶えず拡充し、そのために企業規模を拡大していく必要がある。現状での年商は上述のとおり、かつ従業員数は60名余となり、さらにはオフィスも東京・福岡・札幌と3つを数えているわけだが、これでもまだまだ足りないというのが経営リーダーとして率直に感じるところである。しかしだからといってこのパーソナル型組織のままで弊研究所がいて良いわけではない。その意味での企業統治改革を今年(2024年)秋から断行すべく現在、準備を進めているわけだが、そこで解決すべき論点をミンツバーグは同じくこの著作の中で端的に指摘してくれている。

パーソナル型組織はひとりの人間に大きく依存しているため、もしその人物を失うとがあれば、組織全体が崩壊しかねない。…(中略)…堅実なペースで成長を目指すとしても、アジリティ(迅速さ)が失われてリジディティ(硬直性)が生まれることを避けるためには、最高位者が受け入れてもいいと思う以上に組織のあり方を変える必要がある。また、このタイプの組織には、最高位者の継承の問題もついて回る。きわめて個人的なアプローチでマネジメントをおこなってきた人物の役割を引き継げる人物などいるのか。起業家が別の起業家の後を継ぐことは可能なのか。パーソナル型組織は、いずれ別の組織形態に変容するほかなくなる可能性が高い。(同第110~111頁)

それではパーソナル型組織(我が国ではより平たく言うと「ワンマン経営」と言われることが多い)は脆弱であり、採用すべき組織形態ではないのだろうか。最近、とある法曹関係者と意見交換した際、実は司法の現場において「ワンマン経営」というのはネガティヴ表現とは考えられていないと聞いた。それもそのはず、全てのマネジメントはとりわけスタートアップ企業であるとき、パーソナル型組織として始まり、かつそれが合理的かつ賢明な措置であることが多いからだ。ミンツバーグは言う。繰り返しになるがここ5年で年商が2.4倍になるという実績を残した弊研究所についても、同じことが少なからず当てはまる。

パーソナル型組織は前時代の遺物なのか。…(中略)…さまざまな思いがけない場所で、数々のスタートアップ組織がわくわくするような活動をしている。多くの若い人たちが新しいものごを成功させようと奮闘しているのだ。営利事業の世界でも社会的事業体の世界でも、組織の世界が健全性を保てているのは、パーソナル型組織が存在するからだ。孫店は、この先も変わらないだろう。…(中略)…多くのシンプルな組織、とりわけ小規模なマネジメントする(ママ)ためにも、この組織形態が不可欠なのだ。(同第112~113頁)

弊研究所は以上の様な長所と短所を持つパーソナル型組織から、そこでの「勝ち手」をプロセスとして固め、それをより効率的に回し続ける「プログラム型組織」へと成長しつつある。まずミンツバーグにこのプログラム型組織が何であるのかを教えてもらおう。

プログラム型組織は、ピラミッド型の階層と、秩序、コントロール、システム、そしてことのほかルールを好む。ありとあらゆるものをプログラム化しようとするのだ。…(中略)…プログラム型組織の業務コアで実行される業務は、できる限りシンプルで、専門特化していて、反復性の高いものになる。人々が最低限のトレーニングで業務を実行できるようにすることが狙いだ。…(中略)…さまざまな職種の間の調整は、成果の標準化の助けを借りつつ、主に業務の標準化を通じて実現する。…(中略)…この種の組織では、業務を行うオペレーターと、業務を管理するマネジャー、業務の在り方を設計するアナリストの間に、きわめて厳格な分業体制が確立されている。そのなかでも、アナリストたちによって構成される「テクノストラクチャー」が果たす役割がきわめて大きい。…(中略)…プログラム型組織は、シンプルで安定した環境で栄える…(中略)…プログラム型組織の形態は、成熟した組織でよく見られる。(同第114頁、116~117頁、119頁)

我が国の現代における事業環境では分野を問わず、年商10億円以上に達すると「見えて来る世界」が変わる。無論、VUCAの時代と言われるが連続してこのレヴェルあるいはそれ以上の年商を上げる実力があるということは、「勝ち手」をつかんでいるということなのだ。したがってこの「勝ち手」を標準化し、なるべく手間暇をかけず迅速にこなす体制を整えることが経営上の至上命題となる。

だが、時にこうしたプログラム型組織において働くことは、たまらなく苦痛に感じられることがあるのも事実だ。ミンツバーグも指摘するとおり、この種の組織の「業務コア」で働く人たちの間では時として「創造性」の発揮をしたいと強く望むタイプの者がいる。また、ある閾値を超えて事業環境が変動する様になると、これまでの「勝ち手」がそうではなくなることもある。したがって次なる「打ち手」を考える必要が出て来るのだが、ここで業務コアを担う人々が全くもって思考能力が無くなると困るのである。

したがって弊研究所では「企画」と「事務」の2つに分けて採用を行っている。企画担当とはプログラム型組織への移行にあっても、考え続け、次なる「勝ち手」をジュニアのミドルマネジャーならば「業務改善」のレヴェルで打ち出し、またシニアのミドルマネジャー以上ならば「全く新しい事業の枠組み」を打ち出すことを担う人財を指す。他方で「事務」とはここで打ち出される新しい「勝ち手」(候補)について粛々と、かつ最低限のコストで迅速にこなすメンバーである。人事考課も全てこの2分割をベースに行っている。

このパーソナル型組織からプログラム型組織への遷移、かつ単純な後者ではなく、活力を維持したまま後者も形作っていくのは至難の業だ。通常ならばここでVCが入り、監査法人が入ることでいわば「カネの力」で一時的に数年間、メンバーたちをまとめ、「ストックオプション」というニンジンを目先で掲げつつ、追い立てて行く。しかし私たちIISIAはこのやり方を採用しない。なぜか。

それはそもそもヴィジョンとミッション、さらには上述の「創業にあたっての強い想い」が企業活動のベースにあるからだ。それは社会貢献事業なのであって、「予見的ガヴァナンス(anticipatory governance)に基づく、先端科学技術の社会実装によるグローバル社会全体の改良」といったパックス・ジャポニカに向けた取り組みや、それを支える人的能力としての”情報リテラシー(information literacy)”、さらにはこれを中核とするアントレプレナーシップ教育の全国での展開などは、それら自体として即効性のあるものではなく、カネは直ちに生み出さない。したがってVCや監査法人からすれば、収益を直ちに生まない以上、そんなことは一切やるな、ということになりかねないのである。その代わりに弊研究所は会員制サーヴィスを展開し、一方では未来予測をベースとする調査分析レポートの発行を行いつつ、他方で私たちのその意味での社会貢献事業に対するコミットメントを前提に、会費から生じる利益の50%を用いてこういった活動を展開するという独自の仕組みを構築してきている。最近では金銭的な利得だけではなく、同時に「良いことにカネを出した」という満足感をもたらすという意味での「消費型投資」が最先端の経済学者らによって打ち出されているが、正にその先駆けとしての事業活動を展開してきたのが我がIISIAのこの17年間の歩みなのである。

「絶対的に未来志向かつ善いことに日々コミットしながら仕事をしている」というのは何ものにも代えがたい満足をもたらすものだ。無論、メンバーに対する「分配」はストックオプションといった形式をもっては行ってはいない。経営状況によっては事業投資を優先させ、(極稀にではあるが)賞与は支給しない場合がある。だが、これとて至極当たり前のことなのであって、コミットしている事柄(ヴィジョン、ミッション等)を優先させ、それが都度、大輪を咲かせる度にその分をも含めて分配するということを粛々と経営側としては行ってきていることを付記しておきたい(期末賞与の分配等)。そして私たちの社会貢献事業「プロジェクト・パックス・ジャポニカ」は着実に成果を生み出しつつあるのであって、一方でグローバル・シーンでは国連大学との(対等な立場という意味での)共催ウェビナー「生成AIと外交」の開催を皮切りに、次にUNESCOとの共催行事を巡る協議に入り始めており、他方では広島大学を筆頭とした我が国有数の教育機関との協働によるアントレプレナーシップ教育、さらには”情報リテラシー教育”も全国で着実に展開してきている。そしてまた、先端科学技術という観点では「反宇宙の実証実験」を東京大学大学院工学研究系社会連携講座のフレームワークで支援しつつ、他方で某有名国立大学と共に「AIと金融」を巡る共同研究を協議し始めている。「IISIAは論評だけであって実社会と関わっていない」などという根拠なき批判が一部にあるようだが、全くもって見当外れの戯言である。国内の現場レヴェル、さらにはグローバルにおける議論の場で私たちIISIAは公的機関では決してなく、独立系シンクタンクでありつつ、己の掲げるヴィジョンとミッションの実現のために現実そのものに関わり、日々格闘しているのである。そしてそうした企業規模の拡大を更に推し進めつつある中で企業統治を巡る大きな改革を断行しつつあり、そのために現在、集中的に人財募集を行っている次第なのだ。

まとめたいと思う。現在、弊研究所が採用したいと考えているメンバーの理想的なイメージは次のとおりである:

-第一に弊研究所のヴィジョン(Pax Japonica)及びミッション(Giving the People Hope and Future)に十二分コミットしていること

-第二に企業成長のフェーズとして弊研究所が「パーソナル型組織」から「プログラム型組織」へと移行し、急拡大を続けようとしている中で、自分自身の役割を果たそうと決意していること

-第三に自分自身がそこで果たす役割が「企画」なのか、「事務」なのか明確な認識を持って就業すること。前者であれば「新しいものを創造する」ことをやり続ける決意を持ち、それを着実に実行する必要がある。当然、そこではマネジメントとリーダーシップの能力が不可欠だ。他方、後者の場合には事業執行について一寸の漏れも無く、かつ一秒でも早く誰よりも好ましい形でそれをこなすレディメイドの能力が必須だ。

-第四に総じていうと、「年商が今のままで維持されれば良いと内心思い、稼ぐことに意欲が無い者」はNo thank youである。同時に「ヴィジョン・ミッションへのコミットメントどころか、他に何等かの目的があって”ワーク・ライフ・バランス”を語りつつその実全く心無い仕事を表面的にこなしながらも、応分の貢献もしないのにカネだけにはうるさい」御仁たちもこれまたNo thank youである。そうではなくて、IISIAという世界で唯一無二な「場」で出会ったことの喜びを分かち合い、そこでの成果物を自分自身の喜びと出来る人、こうした方々を今こそ求めている。

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【2024年8月現在で募集中のポジション(随時変更します。リンク先をクリックすると人財公募サイトへジャンプします。】

業務執行部):グループ・セクレタリー(1名。リーダークラスを希望。【事務】)

財務経理部):事務補助所員(1名。正規所員ないし派遣所員。簿記資格を持ち、かつ実務経験がある方。【事務】)

(新卒採用・評価育成):事務補助所員(1名。派遣所員。人事経験の有無は問わないが、事務処理能力に長けている方。【事務】)

WEBマーケティング):マーケッター(1~2名。正規所員。WEBマーケティング全般について知見・経験を持つ方。【企画】)

コールセンター・マーケティング):マーケッター(2~3名。正規所員。リスト抽出からスクリプト更新、さらにはその前提かつ類縁のマーケティング活動全般の知見・経験を持つ方。【企画】/本社における入会事務等全般をこなせる方。若干名。【事務】)

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以上がファウンダーであり、代表取締役CEOとしての採用人事ポリシーに関する「マニフェスト」である。共に明日の我が国、そしてグローバル社会全体を創り出していく中でご自身についても飛躍的な成長を遂げたい多くの皆様からの積極的な応募を心から期待しています。

2024年8月4日 東京・丸の内にて

株式会社原田武夫国際戦略情報研究所 ファウンダー/代表取締役CEO

原田 武夫記す