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そして哀しき「円安介入」よ。桜散る中、我ら何処に行かん。(原田武夫の”Future Predicts”. (Vol. 3))

我が国当局による「円安介入」がいよいよ2度行われた、と騒ぎになっている。行ったのが我が国の当局者なのであるから、如何に非公開情報であろうとも裏はとれるわけであるが、マスメディアたちは一斉に「介入を行ったとの観測」を報じ続けている。今、このコラムを書いているのは2024年5月3日午前であるが、1ドル=153円近辺を結果として推移しているようだ。「これまで行われた介入で費消されたのは8兆円と推定。資金が枯渇しないかが懸念される」とマスメディアたちは一斉に報じたが、実際にはとりあえず我が国当局の目論見どおりに事態は推移している様に見えるので関係者各位にとっては正直、ほっとしたといったところであろうか。

今回の1ドル=160円まで行ってしまった円安騒動の中で思ったことがいくつかある。徒然に綴っていければと思う。

まずは我が研究所がリリースし、継続して計算結果をクライアントの皆様に提示している最新AIアルゴリズム「Prometheus I/II」のことだ。日経平均株価とドル円レートもその計算対象なのであるが、前者においてはこのGWからの「転換」を、また後者においては来る初夏過ぎからの「強烈な円安進行」があらかじめ示されていた。いずれも円ドルの為替レートに纏わる「人為的なホワイトノイズによるトレンド分析への影響」を解釈し、クライアント各位には説明していたわけであるが、今回の「介入」そのものが行われる前には「岸田文雄総理大臣が6月の衆院解散総選挙を決断する」が故のノイズの発生と当方としては見ていた。しかし、先日行われた衆院3補選の結果、岸田文雄総理大臣は(無論、最後の最後は分からないが)「それどころではない事態」に追い込まれている。したがってこの分析は一面において事実によって追随されなかったと言えそうだが、しかし衆院3補選での「自民惨敗」があったからこそ、中小企業主たちの歓心を買うために岸田文雄政権としては今回の「介入」に踏み切ったとも言えるのであった、他面においては正しいと言えなくもないといったところだろうか。そして気になるが今後の動向であるが、米国は依然としてインフレ、しかも一般市民の生活に直撃を与える「日用品のレヴェルでのインフレ」が大統領選に大きな陰を差し続けている。そうである以上、米連邦準備制度理事会(FRB)として利下げどころか、利上げを視野に入れざるを得ないということになり、少なくとも大統領選が実施される11月までは「利上げの実施ないし示唆→米ドル買い続行」という流れにならざるを得ない。そうなると、むしろ我が国の日本円の「売り」が持続することも目に見えているのであって、今回の「神田バズーカ」に対して「原爆級」である米ドル買いの意向を持つ”越境する投資主体”らの動きに対して、我が国当局が単騎で向かって果たして勝ち目があるのかということになってくるのである。一部には1998年の際の「介入」になぞらえて、ここからさらに1ドルあたり20円ほどの「円安」(すなわち1ドル=180円台)にまでずり落ちるのではないかと語る者もいるくらいだ(事実、現段階で我が「Prometheus I/II」はそうした可能性をその計算結果で指し示している)。

「仕方がないことだろう、これは。マーケットは神のみぞ知るわけであるから」———読者の皆さんは必ずやそう思われていることであろう。しかし筆者にはどうしてもそうは思えないのである。なぜならばドル円レートが強烈に円安へと突入し始めた一昨年(2022年)の秋、なにやら不思議な連絡が筆者の下に舞い込んできたからである。最初は無視をしていたのであるが、どうしても気になって返事をし、やりとりをしてみて正直驚いた

深圳に暮らしているという若い女性起業家を介して紹介を受けた男性は自らの名前を「青木」と名乗った。北京に在住しているのだという。「私たちは改革開放路線の中で中国の証券市場を創り出した、米国留学組のグループです。中国名を調べて頂ければ分かるはずです」そう、語って実名を教えてくれた同人の誘いのまま検索をしてみると確かに中国証券市場の父の一人としてその名が刻まれていた。しかも菅義偉総理大臣(当時)には中国側の金融関係者のリーダーシップの一人として表敬訪問すらしていたのである。これは驚いた。

「なぜ私にそんな話をするのですか?」

「あなたは◎◎(註:件の女性起業家)と仲が良いと聞く。是非、私がこれから話すとおりに動き、一財を築き上げて◎◎との将来について考えてやってくれないか。」

「よくあるロマンス詐欺か?」と思ったが、とにもかくにも話を聞いてみようと思った私に対して「青木」は事もあろうか、「これから強烈な円安ドル高になる」と断言した。私はいくつかの事実を上げてこれを否定しようとしたが、「青木」は何も答えようとはしない。なにやら決然としているので、「では何をすれば良いのか」と聞くだけ聞いてみることにした。

「この高速為替取引のマシ―ンを使える口座を開設してもらいたい、まずは」

「青木」はそう言って、その当時は我が国において取り扱い業者の無かったマシーンを推奨した。ますます怪しくなり、とりあえずその場では聞き置くことにした。そして数日経ってから、「我が国国内の業者では取り扱いが無いようだ。関連法令との関係で私が日本に暮らし、日本で取引を行う以上、利用は出来ない様に想う。その前の世代のマシーンであれば何とかなるかもしれないのだが・・・」と私の方から粉を振ってみた。すると思いの他、激烈な対応が返ってきた。「何を言ってるのか、君は。◎◎(女性起業家の名前)のことをあなたは本気で考えていないのか?もしそうではないというのであれば、絶対に最新マシーンで口座をつくってほしい。簡単なことではないか?間もなく強烈な円安ドル高になる。この機を逃す手はない。急げ!

猜疑心の塊になった私は当然のことながらしばらくの間、放置しておいた。ほとぼりが冷めた時、どんな風に言ってくるのかと思いながら。

するとどうだろう、「放置」している間に一気に円安ドル高へと為替レートは変動し始めたのである。その勢いは止まることがなく、結果は現在、読者の皆さんが見ることが出来るとおりなのだ。「青木」はというと、その後、連絡手段であったLINEの口座を消してしまった。件の女性起業家は今でも連絡をとろうとすればとれるが、そのままにしてある。二人はいずれもあの問、こう言っていた。「これは絶対に内緒にしてほしいのだが。私たちは在阪日華ハーフである。改革開放路線を中国が取り始めてから、金融マーケットの整備が行われ始めたが、その際、そのための中心的な役割を果たしてきたのは私たち在阪日華ハーフのグループなのだ。したがって私たちは対外的にこそ中国名を名乗っているが、もう一つ日本名も持っているし、日本語も話すことが出来る。このことを是非忘れないでほしい」

何とも狐につままれた気になったが、それでもなお、一つだけ事実として残ったことがあるのだ。それは「あのやり取りのタイミング」の直後からドル円レートが強烈な円安進行になったということ。そしてそれを「青木」は知っていたということなのだ。そしてこのことを思い出す度に筆者は思うことがあるのだ。それは「今回のドル円レートの円安展開は、実のところ米中合作の対日攻勢なのではないか」ということである。仮にこの見立てが正しいということになってくると、一方では「神田バズーカ成功」などと思っていれば良いということでは全く無くなるのである。むしろ米中合作がいかなる企図で行われているのかについて我が国は真剣に検討し、その先において襲ってくる出来事に対して早急に備えるべきなのだ。さらに他方では、それでもなお我が国が米中勢から取り囲まれるという最悪の事態になった際、我が国からの救いの手を求める声に対して堂々出現するであろう「あの存在」に対して、かえって付け込まれることの無いよう、むしろどの様に備えるべきかについても考えなければならない時が訪れていると言わざるを得ない。

「進むべき道はない、しかし進まなければならない」(ノーノの言葉)

「世の中に偶然などない。私は賭けてもいい」(F.D.ルーズヴェルトの言葉)

やがて悲しき「円安介入」が悲鳴の始まりとなるのが見えている今だからこそ、このことを明確に書いておく。心ある同胞に一人でも多く、この真実の言葉が届かんことを。我が国と、意識ある存在としての「ヒト」である全員に栄光あれ。

2024年5月3日 軽井沢にて

原田 武夫記す

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