500冊の重み。そしてニセコにシリコンヴァレー(続・連載「パックス・ジャポニカへの道」)
昨夕、随分と遅くに我がオフィスに我が国屈指の「越境する投資主体」の御仁が来訪された。無論、遊びに来られたわけではない。我々は今、ビッグ・ディールでコラボレーションしている。その詳細をここで明かすことは出来ないのだけれども、眼光鋭い御仁はどういうわけか私にある時から、我が国のマーケットとそれを取り巻く状況におけるリアリティ(現実)について問わず語りで語ってくれるようになった。眼光は鋭い。言葉も荒く、大抵の者ならばひるんでしまうに違いない。だがその言葉は珠玉のものばかりである。無駄が一切ない。「価値」に満ち溢れている。そんな御仁は今回、こう言った。
「”越境するIT事業主体”のあのアメリカ人大富豪が日本中の不動産を買い漁っているのを知っているか。数え上げればきりがないが、中でも京都・東山にある20億円の物件は何でも自分自身が臨終の時を迎えるために買ったそうだ。これに加えて北海道・ニセコにも巨大な不動産を購入済みだ。まだ誰も気づいていないが実はプライヴェート・ジェットを飛ばす空港建設許可申請まで出している。何でもニセコの地に”日本版シリコンヴァレー”を造ると決めているそうだ」
そう一気に語って、御仁はゆっくりと手を伸ばし、卓上のエヴィアンをとり、ゴクリと飲んだ。
「ニセコに・・・シリコンヴァレー。。。」
窓外には皇居が広がっている。私は曰く言い難いこのアンバランスさの中で自分自身の中の”何か”を支えるのに必死だった。
私たちの研究所はミッションとして「パックス・ジャポニカ(Pax Japonica 「日本の平和」)」を掲げている。要するに「これから世界は新秩序構築に向けて音を立てて動きだすが、その中で我が国こそがその中心となるべき存在なのだ」というわけである。英国・ロンドンに続き、先般は中国・上海でこのテーマでの講演会を行ってきたばかりだ。御蔭様で大変盛況であった。
この「パックス・ジャポニカ」というテーマについて我が国のマスメディアが語ることは全くない。マスメディアが我が国で語ることといえば相も変わらず自虐ネタばかりであり、「我が国は特殊」「我が国は愚か」「我が国は無意味」「我が国は出遅れている」といった論調ばかりが目に付くのである。
だがそうした中で一人、そしてまた一人、私たち日本勢の中で「いや、違うのではないか?」と想う向きが増え始めている。無論これはwishful thinking(希望的観測)などではない。私たちIISIAは肌身に感じてそのことを知っている。
なぜならば私たち自身がマーケットとそれを取り巻く国内外情勢を分析する中で「これからの半年間、そしてその向こう側に向けた羅針盤」として皆様に対して過去9年間にわたってご提供し続けてきた「予測分析シナリオ」が今、爆発的な勢いで売れ始めているからである。ポジション・トークなどでは決してない。そして遂に先日出したばかりの最新の予測分析シナリオである「Novum scire」は実売数500冊を越えた(同「予測分析シナリオ」の詳細はこちらをクリックしてください)。これは弊研究所が創設されて以来、初めてのことであるのは言うまでもない。
このコラムの冒頭の下りを読んで「ニセコにシリコンヴァレー?何を寝ぼけたことを・・・」と思っているかもしれない。だが、我が国が新世界秩序の中心になることがもはや明らか、というのがこの世界中の誰しもが知っている米大富豪(最近では「認知症」薬開発に私財を投じると発表したことで大きく話題となった御仁)をはじめとする米欧勢の統治エリートらの「常識」かつ「共通認識」なのである。知らないのは「フツーの日本人」なのであって、このまま行くと今後、何が他ならぬ我が国で起きるのかは目に見えているのである。ちなみにニセコ、京都に加えて、この米大富豪は「アマテラスが宿る」と古来されてきた沖縄のとある小島も買収したとも聞いた。
繰り返し言おう。―――我が国が「新世界秩序の中心」になるという意味でのパックス・ジャポニカ(Pax Japonica)はもはや空想科学小説(SF)や妄想などではないのである。それは既にスタートしている現実なのであり、着実に我が国を巡る陣地獲り合戦が始まっているのである。ところがそのことについて我が愛すべき同胞は何も知らず、相も変わらず「日本は愚か」「日本は意味がない」「日本は遅れている」とGHQによってかつて刷り込まれた自虐ネタをくり返しているのである。これ以上に飽きれて物も言えないことがあろうか。
冒頭に登場して頂いた正真正銘の「マーケットの”猛者”」の御仁は、最後にこう言い放って去って行った。
「原田さん、我が国には素晴らしい上場企業がゴロゴロしてるんだ。既に米系と華僑系の”越境する投資主体”の雄が莫大な量の株式でこれらの企業を押さえ始めているけれども、何でもこれら米系と華僑系はこれから手を組むとシンガポールで聞いたぞ。一体どうなっちゃうのかね、我が国は」
自らもかつては高級官僚の一員であった(が、今やその片鱗は鋭い眼光以外には全く見ることが出来ない)御仁はそう言って、ニッコリと笑い、私のオフィスを静かに出て行った。「彼は、大量の日本株を既に買い付けている」と私は直観的に感じ、これまでの会話の中で御仁が出してくれた我が国の上場企業名をあわてて記憶の中で手繰り寄せた。今月(2018年4月)、しかも来週(15日週)から生じる局面の大規模な転換の中でこれらの日本企業の株価が大幅に変動するはず、と強く感じた。身震いがした。
「目覚めるか、惰眠をむさぼり続けるか」
それは読者の皆さんの自由である。だが、目覚めたいと心底思うのであれば悪いことは言わない、我が国でたった一つ、「パックス・ジャポニカ」というグローバル・リーダーたちの間における”常識”と”共通認識”を動態分析し、そのダイナミズムをリアルタイムで書いている弊研究所の予測分析シナリオの最新版「Novum scire」をお読みになられるべきであろう(下線をクリックして頂くと詳細なご紹介にジャンプします)。何せ、貴方より前に既に500人の読者がそうした既に始まっている現実を我が物にしているのであるから。あとは・・・見まごう事なき現実と近未来を直視する勇気を皆さんが持たれるかどうかだけだ。その”勇気”に心から期待したい。
平成30年4月14日 東京・丸の内にて
原田 武夫記す