Compassion for Social Inclusionの御礼
先週11日(土)、弊研究所は姉妹団体である一般社団法人日本グローバル化研究機構(RIJAG)との共催の下、社会的包摂の為の“慈愛”プロジェクトを実施致しました。
最終回となる第三弾では、反社研究の第一線でご活躍されております廣末登様にご講演頂きました。テーマは「半グレなど反社会的勢力の実態と社会的包摂」についてお話頂き、今次グローバル社会における反社の動向が活発化する中で、反社の実態や、特定の暴力・犯罪集団に属してしまった方々に対する社会的包摂のあり方を議論しました。
社会的包摂(Social Inclusion)の概念自体は社会的排除(Social Exclusion)という言葉の対として現代社会に定着したもので、1970年代のフランス勢により言葉自体が注目され始めたと言われております。社会的排除へのフェーズは大きく3つに分類することができ、今回第一弾から第三弾にかけて扱った問題について整理した上でご報告申し上げます。
(参考:『日本における社会的排除の研究-現状と課題-』より)
まず第一に、「貧困」とは生きるために必要な資源の欠如を説明しており、「相対的排除」では衣・食・住に限定せず、生活に必要な財・サービス・制度からどれだけ剥奪されているかに着目します。第一弾の西成区における社会的困窮問題では、生存のために必要な資源不足や物質的な欠如に陥っていると想起される西成地域につき、村上靖彦教授より「西成マジック」と呼ばれる幸福と生存を可能にする“実態”をご説明頂きました。
他方で、「社会的排除(Social Exclusion)」は、社会における人の位置や距離等のいわゆる「社会的資本」に着目します。9月と11月に開催致しました第二弾・第三弾では宗教団体や反社会勢力という集団の性質が故に、社会的資本の欠如に焦点があてられ、それぞれの社会的包摂のあり方について議論しました。
いずれの回において共通して言えることは、問題として認識されていない点です。現に、第一弾から第三弾を通してご参加頂きました約150名の方々の中で約9割の会員様がそれぞれ3つの分野の問題について知らなかったとご回答頂いております。今後につきましては、こうした一連の問題を「人類共通の人権問題」として重く受け止め、我が国のみならずグローバル社会に昇華させるべく、取り組んで参ります。
今回で本プロジェクトは完了いたしましたが、引き続き弊研究所の社会貢献事業につきご支援・ご協力賜れますと幸甚でございます。
何卒宜しくお願い申し上げます。
社会貢献事業担当 岩崎州吾 拝