吉本興業問題の「本質」について考える。(続・連載「パックス・ジャポニカへの道」)
誰も言っていないのでよろしいですか?
芸人たち、「給料が低い」「吉本の恫喝は耐えられない」等など続々と言い出しているわけです。
事実は知らない。もちろん。
だが、私の様な古神道のpractitionerからいうと、端的にいってこの問題の中核は「おかげさん」にあるのです。
吉本の社の方が感じるべきは、芸人たちに対する「おかげさん」。
彼ら・彼女らが、普通ならばあり得ないような体当たり演芸をするからこそ、現在の吉本の繁栄があった。だから「御陰様」なのです。
対する芸人たちも同じ、「おかげさん」なのです。
多くの場合、学歴もない、地縁・血縁上の特筆すべき事項もないような彼ら・彼女らを拾ってくれたのが吉本なのです。
そして、厳しい道のりであったけれども、それでも今や少ししゃべっただけで1万円札が何百枚と入る世界になる、なんていうことが実現した。
それは・・・御陰様、なのです。吉本興業があったからのこと。「おかげさん」なのです。
世間はパワハラ問題であるとか、あるいは反社会的勢力が云々とか言っています。
しかし私の目から見れば、そんなことはいずれも些末なもの。
そうではなくて大切なのは「おかげさん」を忘れてしまった我が国の縮図がこの問題であるということ。
ただそれだけ、なのです。
2019年7月28日 東京・丸の内にて記す
原田 武夫