信じた道を突き進め。 (連載「パックス・ジャポニカへの道」) - IISIA 株式会社原田武夫国際戦略情報研究所 - haradatakeo.com
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信じた道を突き進め。 (連載「パックス・ジャポニカへの道」)

今、私はこのコラムを北海道の新千歳空港のラウンジで書いている。程なくして神戸行きのフライトに乗り込み、西へと向かう。

我が国とは実に便利なつくりとなっている国である。山も川も海もあり、湿潤なところと乾燥している場所、そして清新な北の大地と豊潤な南の島々にも恵まれている。古来、我が国におけるリーダーシップはこうした土地柄を存分に生かし、自分自身の体内バランスを整えてきた。その集大成が「陰陽道」なのだ。

私は年に2回、北海道に居を構える師匠(master)の下を訪れることにしている。早いものでご指導を賜るようになってから、間接的にという意味では10年近くの月日が経つ。とりわけここ数年は集中した修養に努めてきたが、これを師匠にはお支え頂いてきた経緯がある。

この様に述べると奇異に聞こえるかもしれないが、私が師匠より授かっているのは何かに根拠なく固執するという意味での「宗教」ではない。たとえば経営リーダーで困難に直面するとこの意味での「宗教」(えてして「新興」宗教)を狂信してしまう向きがままいる。だが我が師匠が語っているのはある意味何のことはない、量子力学であり、物理学であり、化学そのものなのである。「どれほど困難な状況に在っても、如何にして己の自律神経の平衡を保ち、もって安定的な判断を下すことでリーダーシップを120パーセント発揮するか」という一点にその珠玉の言葉の照準は絞られている。それ以上でも、それ以下でもない。

「帰依」という言葉があり、「宗教」の文脈ではしばしば、多額の献金といった行為と結び付けられて語られることが多い。だが、我が師匠の場合は全く逆なのであって、北の大地にたどり着く私やそれ以外の弟子たちを広大な自宅に招き入れては、「これが体に良いぞ」「これも本当の肉の味だから食べておけ」と大いにふるまってくださるのだ。私やそれ以外の弟子たちはというと、これまた師匠がお好きであろう食べ物を一点、手土産としてお持ちする。ただそれだけのことだ。しかしそうしたやり取りの中で自覚したヒトとヒトとのバランスを保つ力を私たち弟子たちが保っているかどうかを、きっちりと師匠は見分けている。自分では決して気づかない非常に小さな、しかし極めて重大な変化を、そのあり得べき原因と共に師匠は端的に指摘されるのだから驚きだ。しかも、師匠は「ではこういう生活態度にすべきだろう」と具体的な行動パターンをお示しになられる。究極のリーダーシップ・コンサルティングとはこのことであろうか。

特段の悩みがあるわけではないが、明らかに世界が次のフェーズに向かう中、私自身も次のフェーズへと飛び立ち始めているのを日々感じている。だからこそ今回、北の大地に令夫人と共に暮らされている師匠の下を訪ねた。すると、そうした私自身の内心をしっかりと踏まえた上で、師匠は暖かくも厳しく、こう述べられた。

「信じた道を突き進め。これまでの修養を前提とすれば負けるはずもない。圧力がかかるからこそ、反作用で前に進み、さらには上へ上へと飛翔するのだ。“圧”を巧みに使え。困難が訪れたらばそれこそ、天祐だと考えよ」

正にそのとおりである。そしてこうも述べられた。

「物事の属性に惑わされるな。元来、己の胸に抱いた“目的”に向かってまっしぐらに進め。“目的”が叶う時、その物事の属性は常に付随してくる。名誉・地位・カネ、これらは皆“属性”に過ぎない。惑わされるな。”目的“の達成だけをひたすら考えよ」

全くもってこれまたそのとおりなのである。そして師匠と相対峙していると、これまで己の不遇をかこっていたことが嘘のように思え、しかもよくよく考えると、己の周囲にはゆっくりと、しかし着実に自らが胸にひしと抱いた”目的“が達成されるための御縁が連なりつつあることに気づくのである。そう、確かに「前へ」と進んでいるのである、私は。

表向き大混乱を続けている世界。しかし、その実、目に見えないレヴェルでは着実に新しい秩序形成に向けた作業が急ピッチに進められている。その中の少なくとも2つの重要な作業に私は完全にインヴォルヴされており、日々連絡を取り合いながら物事を進めつつある。それが何をもたらし、さらには如何なる形でパックス・ジャポニカ(Pax Japonica)をもたらすことになるのかを私は既に知っている。己が想念の中で最初から見えているのである。あとはそれが時間かけて、しかし着実に実現していくのを日々の精進の中で見届ければそれで良いのである。

「信じた道を突き進め」

ますます混乱し、その一方で日本バブル第2弾の狂想曲がいよいよ始まる我が国に暮らす全ての同胞たちにこの言葉を今この瞬間だからこそ送りたいと思う。未来は・・・すぐそこから始まるのだから。

2016731日 札幌・新千歳空港にて

原田 武夫記す

 

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