1. HOME
  2. ブログ
  3. ここから先で何が起きるのか?ポイントを示す (連載「パックス・ジャポニカへの道」)

ここから先で何が起きるのか?ポイントを示す (連載「パックス・ジャポニカへの道」)

私たち人間は哀しいかな、「待つこと」が出来ない。なぜならば待っている間に別のことをすればもっと幸せになるのではないかと焦ってしまうからだ。しかしそれは真逆なのである。「待つこと」によってのみ熟すように世界はなっている。問題はそれを待つことが出来るか、あるいはそれが出来ないか。大きな振り分けが常に行われているのである。

その端的な例が「アメリカにおける利上げ」である。いつの頃からか、誰かが「シェール革命でアメリカは景気回復している。量的緩和(QE)の効果も出てきて、いよいよインフレ抑制のための金利引き上げに入るだろう」と言い出した。そしてそれを待っていたかのように米ドル買が盛んに入るようになり、反射的効果として円安となることで「日本株高」を享受することになる私たち日本勢はこうしたトレンドを「真実のもの」として素直に信じてしまった。以後、連日の様に「米利上げ待ち」という報道が続けられるようになっている。

だが、待てど暮らせど、肝心のアメリカは動かないのである。先般行われた米連邦準備制度理事会(FRB)公開市場委員会(FOMC)においても、結局は何も決められることがなかったのである。そうした様子を見ていて、さすがの我が国大手メディアもしびれを切らしたらしく、「アメリカの景気は減速か?」などという無責任な言論をまたしても垂れ流すようになっている。

いわゆる「アベノミクス」はそうした流れの中で何も知らない「政治サイド」と、全てを知って動かしている我が国の「本当の権力の中心」が奇妙なまでの一時的な利害の一致を演じた結果行われたものであった。「政治サイド」のリーダーもさすがにそのことに気付き始めているはずだ。何も気づいていないふりをしてあいもかわらずの「対米投資行脚」などを続けているが、そのアドヴァイザーであるremote viewingの能力の持ち主は早々に語っているはずだからだ。「9月の自民党総裁選の前に株価が激変となり、政権維持は危うくなる」と。だからこそ、つとめて笑顔でいなければならない因果な商売。これが我が国の「内閣総理大臣」なのである。

私が想うに、「これから起きること」の後に世界史を動かすメンバーは事実上、先月(2015年4月)までに決められている。ただしそれは表向き誰の眼にも明らかにされているわけでもなく、かつこれらメンバーたちは1990年代後半頃からの長い選定プロセスの中で選ばれてきている。ただしここで確定というわけではなく、これから3~5年程の間、すなわち2020年には遅くとも全ての決着がつく中で、それまで然るべく流れの中で役割を果たすことが証明できた者のみ、その地位につくことが出来るのである。その意味で「テスト期間」はいよいよ本番到来といったところであろうか。

「これから起きること」を端的に言うならば、全てが反転するという一言に尽きる。国際決済銀行(BIS)の言葉を借りるならばviolent reversal of the global market、すなわちグローバル市場は暴力的な反転の時を迎えるのである。―――一体何が起きるのであろうか?

そういうとすぐに様々なアナリスト諸兄が数理分析に基づき、数多くの小難しい概念・用語を駆使して、我が国の「個人」を煙に巻くのである。さすがの「個人」もそうした彼らの習癖をよく知っていて、もはや彼らの生産する「言説」(“分析”)を一顧だにしないようになっている。それもそのはず、2008年のリーマン・ショックの前後以来、「個人」は身ぐるみはがされてきたからだ。これ以上失うことは出来ない以上、自分自身で考えなければならないという立場にまで、そう、文字どおりの「崖っぷち」まで「個人」は追い詰められているのである。

さしもの証券業界もそうした危機的状況を認識し始めたようだ。このゴールデン・ウィークの連休明けより、実は我が国の証券業界の関係者たちは一定の条件を満たした場合にのみ、ではあるが、自ら有価証券取引が出来る旨、先般内部通達が各社で行われたと聞いた。「内部統制はとれているので問題はない」などというのであろうが、要するに半ばインサイダー取引を公認するというわけなのである。自らの手駒を使ってまでしないと株価を動かすことが出来ないところに、「フレームワーク(=「個人」からなけなしのマネーを徹底的に収奪せよ)を与えられればずっとその方向性を墨守する(=あらかじめ”損“をすることが分かっている金融商品をそれと知らない「個人」に大量に売りつけ、手数料収入を稼ぐ)」をやり続けてきた我が国証券業界の悲哀がある。

さて、最後に「これから起きること」を端的にまとめておきたいと思う。余りにも重大事なので公表するのもどうかとは思うのだが、この公式ブログをご覧頂いたこともまた、読者との間で筆者が何等かのご縁を頂いているという証拠である。そのことに心から感謝の念を捧げつつ、書いておくことにしたい:

 

  • 基本はあくまでも「復元力の原則(ルシャトリエの原理)」である。つまり「今上がっているものは下がり、下がっているものは上がる」、ただそれだけのことではある
  • ある意味、不当に吊り上げられてきたものは以下のとおりである。要するにこれが「暴落」することになる:

 ―米ドル

 ―先進国(日米欧)の株価

 

  • 逆に不当に貶められてきたものは、「急騰」し始める。例を挙げるならば以下のとおりだ:

 ―日本円

 ―天然ガス及び穀物

 ―原油

 ―金(ゴールド)

 

実は既にこの方向で”越境する投資主体“たちはポートフォリオ調整をし始めており、そのことについてマーケット・データの定量分析の担い手たちはあらかじめ連休前から気付いているのである。いつものとおり、知らぬは我が国の「個人」のみ、なのである。哀しいかな、今起きていることはこうした一連の動きの真意を意識しようとする「ヒト」と、それを知らず、単に状況に左右されるだけの人生を送る「人間」が峻別される過程なのであるから、致し方ないのである。

本当に最後にもう一つだけ。たまに誤解している向きがいるが、これから起きること「引き寄せること」など一切、ヒトには出来ないのである。そのことについて修業(?)をされているのであれば今すぐ止められた方が良い。ただ、感じるべきは、とりわけこれまで耐えがたいほどの悲しみ・苦しみを味わったことのある者のみ、実は次のフェーズに向かうための切符を手にしているということである。なぜならば復元力の原則に従うならば強烈な「下げ」があった場合にのみ、反作用としての「上げ」は起こり得るからである。もっとも漠然と不幸をかみしめていれば良いわけではない。むしろ大事なことは、そこで他人を謗るのではなく、「己がそうであること」についてそれが持つ”意味“を悟ろうと努力し続けることなのである。そしてそれが何のことはない、己についての浮き沈みではなく、もっと大きな何か、が姿を現すにあたって力を尽くせと言うサインであることに心の底から気付いた時、初めて自覚したヒトとなり、全てが動き始めるのである。このことが真実であるということは、あらゆる「偉人伝」の中にどういうわけか必ず、それと分かる人には分かる形で書かれている。繰り返しになるが、我執は最も忌むべきなのである。心を解き放ち、己に与えられた役割を全うしようと踏み出すこと。これしか解法はないのである。

いよいよこのゴールデン・ウィーク明けから全ては始まるのである。読者の皆様におかれては、万全の準備は整っているであろうか。

2015年5月3日 出雲にて

原田 武夫記す

関連記事