「夜明け」が始まった。(続・連作「パックス・ジャポニカへの道」)
「暁鐘」と言う言葉がある。いよいよ夜明けになると打ち鳴らされる鐘のことだが、その直前、すなわち夜明けの直前が一番暗くなるとよく言われる。これまで私は繰り返し、「暁鐘が打ち鳴らされる前に」とこの場を通じて述べてきた。
そして今、いよいよ待望の夜明けが始まった。そのことは「事の実相」を知っている方は先刻お分かりであろうし、そうではない方もそれなりに薄々感じられているのではないかと想うのである。
私の役割は「世に真実、すなわち”これまでのシステムの在り方”について知らしめ、同時に”これからのシステム”を自分自身の手で志ある同胞の皆様と共に創り上げていくこと」である。したがってこの場を借りて、一体今、何が本当のところ起こり始めているのかを簡単に記すことが出来ればと思う。
まず物事は二つの側面に分けて考える必要がある。一つは「現象」、そしてもう一つは「潜象」である。前者は目に見える出来事を言い、後者は目には見えないが”その次に起きる現象”として感じ取ることのできる兆しのことを指している。
「現象」のレヴェルで異変は誰の目にも明らかだ。去る2月15日前後より円ドル相場を中心とした金融マーケットは明らかに激変の時を迎えている。特に1ドル=105円台への急激な円高転換は現象として誰の目にも明らかだが、他方においていわゆる「アナリスト」たちの説明は一切納得が行くものではないのである。しかも2月半ばから現段階までの間に2度も「意味不明な円高転換が急激に発生する」といった事態が生じている。「アナリスト」たちは週明け、米雇用統計の発表などで事態は好転すると軽々しくいつもの発言を繰り返している。だが、正直申し上げるならば(彼・彼女らには申し訳ないが)尋常ではない動きであるだけに、そうした「通常の説明方法」が通用するかは甚だ疑問であると言わざるを得ないのである。
円が対米ドル・レートで「高く」なるのは、要するに「円需要が一気に高まっているから」である。それ以上でもそれ以下でもない。率直にこのことを直視すれば良いのだが、「アナリスト」の皆さんはこの点について何ら合理的な説明を行おうとはしないのである。だから一切説得力が無い。そして金融マーケットにおける現実だけが着実に進展して言っているのである。
そしてもう一つ。政治の世界、あるいは私が使う普段の言葉でいうと「政体」勢力の側が大混乱になり始めているのである。「森加計問題」あるいは「スパコン問題」、そして「リニア談合問題」。いずれにも収まっているかの様に見えていた疑獄事件のマグマが一気に噴き出し始めている。確かに私自身、今年(2018年)1月前半に入り、財務省幹部からこう耳打ちされてはいた。
「森加計問題は決して終わってはいない。会計検査院が”NO”と明確に判断を下したからだ。これから問題は再燃することになる」
昨年(2017年)末から今年(2018年)年初までの間、我が国の警視庁捜査2課はてんてこ舞いであったと聞く。「スパコン問題」で検察当局に発破をかけられていからだ。なぜなら、この問題こそ、我が国の「政体」勢力の領袖を狙い打ちにするものだったからだ。無論、やられっぱなしのこの領袖ではない。今度は配下を用いて返し打ちを行い始めたというわけなのだ。それが「森加計問題再燃」の本質に他ならない。
そして財務省がいよいよ動き出した、とあって他の省庁も一斉に動き始めている。厚生労働省が「裁量労働についての統計を間違える」などということが普通ならばあり得るわけもなく、また「鬼の官房長官」がこれを許すはずもないのである。明らかに「次」を見据えた動きになりつつある。
そうした中だからこそ、よくよく見ておかなければならないのが、こうした「官による反乱」の発端となったのが前川喜平・元文部科学次官による”反乱”であったという点なのだ。本邦マスメディアは知ってか知らずかこの点について明確に伝えてはいない。しかし「中曽根」の血脈にはっきりとつながるこの人物が現在の「霞が関の乱」に火をつけた点にこそ、本当は注目すべきなのだ。
なぜか?―――その理由は実は「戦後総決算」を掲げ、表面的には”保守政治家”としての名を欲しい侭にした中曽根康弘・元内閣総理大臣こそ、「これまでのシステム」を支える張本人だからである。だがそこに直結する人物が乱を起こしたということは、要するに「これまでのシステム」と「それを覆そうとするシステム」との間で実は「政体」勢力内部で暗闘が始まり、ついには共食い状態になったことを意味しているのである。
そしてこの「これまでのシステム」を巡る大乱闘が生じている背景には、そもそも「これまでのシステム」がさらに「その前まで脈々と続いてきたシステム」を徹底的に破壊することによって生じたという事実があるのだ。だが、事はそうは単純には済まされないのである。1980年代初めまで脈々と古代から続いてきた我が国とそれを取り巻く「本当のシステム」の側がいよいよ”本来あるべき姿”へと世界を戻し始めたのである。いわゆる「世界の簿外資産勢力」の動きである。
その莫大な資金を扱う役割を与えられているユダヤ勢は当然のことながらそれを事前に察知すべき立場にある。少しずつリークをし、ある時、彼らは一気に強烈な「円買い」を始めるのである。なぜならば、”本来あるべき姿”への転換は、これを1980年代前半に覆した「(それ以降における)これまでのシステム」を打破するため、何を隠そういったんは「日本円」を大量に用いることになるからだ。したがって、先回りをして日本円を買っておけば莫大な利益が出る。そう踏んだユダヤ勢はここに来て一気に「円買い」に先行して走り始めたのである。
言ってみればただそれだけのこと、である。「アナリスト」の皆さんが語っているような些事は実にどうでも良いのである。そしてまた、今起きていることは全くもってそのレヴェルの出来事であるという認識が明確に必要なのである。「世界の簿外資産勢力(さらにいえば「根源的な階層」)」による”世直し”とそのためのツールとしての強烈な円買いは端緒が見えたばかりだ。したがって「円高」はさらに強烈なものになる。「アナリスト」の方々は首を洗って待っておいた方が良いというのが率直な印象だ。
目に見える「現象」のレヴェルでそうである中、目に見えない「潜象」のレヴェルについては感じ取ることが出来るかどうかがカギである。だが、これが実に今、難しくなっている。なぜならば誰の目にも明らかな形で北極圏を除く北半球では地球寒冷化の波が押し寄せているからである。特に悲劇的な国の一つが英国勢なのであって、大寒波で大勢の死人が出ていると聞く。また欧州勢全体では暖房用の天然ガスが枯渇し始めており、価格が急騰し始めている。今年(2018年)の夏はルシャトリエの原理に基づき、強烈に暑くなるはずだ。寒暖差が一気に広がることで、多くの方々の体が蝕まれていく。そして・・・死に至るのである。
しかしそうした中においても「何も感じていない」とすれば読者は”どうかしている”と言わざるを得ない。私は「こうなる前」の2011年頃より「”時間の整理”と”空間の整理”を徹底すること。そしてこれを通じて己の自律神経を己の手でつかみとり、コントロールできるようにすること」の必然性を皆様に語り掛けてきた経緯がある。そうであるにもかかわらず「何も感じていない」とすれば実にどうかしているのである。言ってみれば「獣」にも近い存在に自分がなりつつあることに強烈な危機感を抱くべきだ。今この瞬間から、生活をあらためるべきだ。
他方で私が述べてきたとおり「時間の整理」と「空間の整理」をしてきた方々(特に弊研究所の会員制サーヴィス「原田武夫ゲマインシャフト」の会員各位。知的にも肉体的にもいわば「道場」なのがこの会員制の特色だ(クリックするとご案内にジャンプします))には、今このコラムを通じて私が何を言わんとしているのかが立ちどころに御理解頂けるのではないかと想う。そう、そこで感じ取って下さっているようにこの瞬間から全てが変わり始めているのである。暁鐘は打ち鳴らされた。いよいよ「夜明け」なのである。
実は上述の「これまでのシステム」が支えてきたのが北朝鮮の”金王朝”なのである。したがって「これまでのシステム」が「あるべき元来のシステム」に戻る以上、北朝鮮の現体制も態度変更を余儀なくされるのである。なぜならばさもないと体制そのものが瓦解へと導かれるからである。米国勢は例によってかなり手荒なやり方で、「北朝鮮勢はシリア勢に化学兵器をわたし、現地で凄惨な事態を引き起こしている」と議論し始めている。そうしたやり方には心理的に抵抗を覚えざるを得ないが、他方においてそこまでしなければ「在るべき姿」へは戻れないほど、この世は蝕まれてしまっているのである。
だが、繰り返しになるが全ては変わり始めたのである。世に「常」ということはない。1980年代前半から泳がされてきた「(それ以降における)これまでのシステム」とその立役者はここから一斉に淘汰されるのである。その数、実に700名ほどと聞く。さらにその周辺にあって表向きの役割を果たしてきた「政体」勢力の含めれば数千人規模で、「これまでのシステムでよろしくやって来た人物」たちが続々と淘汰の渦に巻き込まれることになる。何もかも、である。「政体」勢力だけではない。我が国の経済界・産業界・金融界等でも全く同じである。リーダーシップと表面的に見えていた者たちは一斉に、跡形もなく淘汰されるのである。
実に怖ろしきは「無感覚に陥っている己」である。暁鐘が聞こえなくなっているとすれば、「”これまでのシステム”に酔ってしまっている」のであるから、一気に覚めなければならないのである。無論、そうなることを最も恐れている、根っからの戦後左翼であり、今年で御年100才(!)の大君(Tycoon)は何とかしてこれを阻止しようと、国内外で必死の抵抗を試みるはずだ。北朝鮮の「暴発騒ぎ」もその一環で起きるに違いない。だが、そんなもので収まる事態ではないのである。「在るべき姿」へと戻り始めた自然(じねん)、そして地球(ガイア)の歩みを止めることはもうできないのであるから。
あとは「これまでよろしくやってきた者たち」に贈る挽歌を歌うだけである。世上、ますます大混乱になるが是非、読者の皆様には安心しておいてもらいたい。「光」は既に見え、満ち溢れ始めている。ただそのことを信じて前に進んでもらいたい。「在るべき姿」を真正面から、衒うことなく語り、そこでの想いを元に今すぐ動いてもらいたい。それこそが・・・これからの「在るべき世の中」としてのパックス・ジャポニカ(Pax Japonica)の大原動力に他ならないのである。各位の奮起に、今この瞬間だからこそ、心から期待したい。私も、私で己に与えられたこの世での役割を真っすぐに貫いて行く。
2018年3月4日 東京・丸の内にて
原田 武夫記す