「グローバル進出する日本企業が直面する課題」~最終回 グローバル人財とPAX JAPONICA~
秋休みに入り、前回に続き今度は玄関と廊下のリフォーム中です。前回片面だけ塗られている扉たちはやっと両面綺麗になる予定。なのはいいですが、家の中がめっちゃ臭いです。シンナーの匂いなのかなぁ。帰ってきて直ぐに家中の窓を全開にしましたが、流石に寒くなってきました。外気温的には冬なので窓を開けっぱなしで寝るわけにもいかないですし、明日の朝、中毒になってなければいいですが。家族は早々に避難済みなので、一人寂しく耐えるしかない私…(泣)。と、前置きはこのくらいにして、細々と書き連ねてきたこのブログも、書きたいことはほぼ書き尽くしネタも尽きてしまっているので、そろそろお開きにしようと、突然ですが今回を最終回とさせていただきます。今まで、お読みくださっていた方々どうもありがとうございました。
さて、今まで「グローバル進出する日本企業が直面する課題」ということで色々な問題点について話してきましたが、基本的には個人的に体験した欧米勢などの事例が多く、他方で昨今では発展途上国への進出の方が活発化していることもあり、あまり役に立たない情報であったことも多かったかもしれません。が、核となるのはやはり、日本がグローバル・スタンダードなわけではなく、国によって、場所によって、考え方も習慣もビジネス方式も全て少しずつ異なっているということを頭の片隅に置いた上で行動しなければならないということでしょう。
その一方で、少しずつ日本の優れた点がグローバル・スタンダードになりつつあるのも事実です。自動車業界の「KAIZEN」であるとか、環境関連での「MOTTAINAI」が世界に広まり、世界経済フォーラムでは「IKIGAI[1]」という概念まで打ち出されています。日本のグローバル人財たちの役割は、日本の優れた点、技術をどんどん輸出しつつ、日本の素晴らしさに世界を注目させることにもあるわけです。誰も自分が日の丸を背負って立っているとは思っていないでしょうが、対峙する相手にとって貴方は「日本」そのものであったりすることもあるわけです。それを忘れずに行動しなければいけません。間違っても、「このハゲ~」と叫んだりしてはならないのです(笑)。家族から「絶対やってるでしょ」と突っ込みを受けましたが、いやさすがの私もやっていません。地味に口に出せない悪口を紙に書いてシュレッダーにかけるぐらいです。昔、これをPOST ITに書いていて、裏に貼り付けていたのを忘れて決裁書を上げてしまい、上司にメチャメチャ怒られたことがありますので、この方法もおすすめはしません。私のやっちゃったランキング上位3位に入りますね。やっぱりシンナー回ってきたかな(笑)
閑話休題。
自覚はなくとも「日の丸」を背負っている以上、グローバル人財は少なからず「PAX JAPONICA」の担い手でもあるのです。このブログにたどり着き、今更「PAX JAPONICA」とは何ぞやとの問いかけをする人もいないとは思いますが、いまいちその定義がわかりかねるということであれば、是非こちらの研究所代表の原田武夫氏著作「PAX JAPONICA[2]」を御一読下さい。英語ですが、非常に読みやすいです。
「日本的なるもの」の利便性はグローバルで活躍している人財ならば身に染みて実感しているはずです。それを浸透させ、世界標準にしていき、「PAX JAPONICA」を実現していくのは、何も一握りの「PAX JAPONICA」実行委員の仕事ではないのです。「PAX JAPONICA」の実現を信ずる一人一人が、その想いを胸に行動していくことで新たな未来が築かれるのです。真のグローバル人財足りえるには、その点も忘れずに行動していってほしいものです。これを結びの言葉とし、ブログを終了させていただきます。
皆様の益々の御活躍を陰ながら応援しております。
プロフィール
川村 朋子
元外交官。大臣官房儀典官室、在フランス大使館、在ガボン大使館にて勤務。
現在は在仏日系企業に勤務。留学、外務省時代、現在と在仏歴通算15年以上。
リヨン第二大学歴史学修士、リヨン政治学院DEA(博士予備課程に相当)取得。
主な論文に「アンシャンレジーム期のリヨンの倒産・破産状況」「日本の軍事問題の現状」がある。
[1] https://www.weforum.org/agenda/2017/08/is-this-japanese-concept-the-secret-to-a-long-life
[2] https://www.amazon.co.jp/Pax-Japonica-Resurrection-Takeo-Harada/dp/1911498223