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王鵬程研究員が連載コラムを執筆いたしました

20200225_FB_王C_シンガポールのお話●出典:Singapore Legal Advice
図表1:
(https://singaporelegaladvice.com/…/singapore-fake-news-pro…/)

【シンガポールの新型肺炎とフェイク・ニュース対策】

お陰様で大好評を頂いております、弊研究所グローバル・インテリジェンス・ユニット所属の
グローバル調査コンサルタントによるリレー連載のコラム。
今回は 王鵬程 のコラムを掲載させて頂きます。

新型肺炎の感染拡大に徹底した防護対策を取っているのがシンガポールです。
他方で、虚偽の情報の流布、つまりフェイク・ニュースを発信した者に対する厳しい罰則も
設けています。

新型肺炎をめぐってはさまざまな“喧伝”があるのもまた事実。我が国にとっても他山の石に
なるのでしょうか。

下記よりどうぞご笑覧下さい。
そして・・・拡散を!

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・・・

シンガポールの新型肺炎とフェイク・ニュース対策

シンガポール勢では今次新型肺炎の感染拡大を食い止めるべく徹底した対策を実行している。
他方で国として力を入れているのがフェイク・ニュース対策だ。

要すれば、シンガポールにはフェイク・ニュースを取り締まる法律が現存するのである。
それが「オンライン虚偽情報及び情報操作防止法
(POFMA=Protection from Online Falsehoods and Manipulation Act)」だ。
公衆衛生、安全保障、更に自国勢の外交に不利である旨の虚偽情報の流布は、
政府に対する民衆の信頼を損なうことにつながるとしてこの法律によって一切禁止されている。
また、政府がフェイク・ニュースを発見した場合、即座に情報の発信源に対してその記述を訂正、
あるいは削除させることができるほか、巨額の罰金を課すことも可能だ。
同法は昨年(2019年)5月8日に議会で可決され10月2日に正式に発効している。

POFMAが禁じている行為をまとめるとこうなる。

 シンガポールの安全を損なうこと
 公衆衛生、公共の安全、公共の静けさ、または財政を損なうこと
 シンガポールと他の国との友好関係を損なうこと
 大統領選挙、総選挙、補欠選挙または国民投票の結果に影響を与える
 異なるグループの人々の間の敵意、憎しみ、または悪意の感情を誘発する
 政府に対する国民の信頼を低下させる

これらに違反した場合、個人では最高20,000シンガポールドル(156,500円相当)の罰金が
科され最大12か月の懲役刑が科される。

POFMAについては多くの反発があるのも事実だ。米系“越境する通信事業主体”であるグーグルも
POFMAはイノベーションに有害である旨言及している。これに対しシンガポール政府は
報道の自由や言論の自由などの権利を侵害しないことを一貫して主張している。
さらに注目すべきは、外国人がこれらに違反した場合でも国外退去などになる可能性がある点だろう。

今次新型肺炎感染拡大への対策でもシンガポール政府は徹底している。
今月(2月)18日に施行された新法によれば、中国からの帰国者に対し
14日間の自宅待機を義務付けている。もちろん外出も禁止だ。そしてこの外出禁止令に違反すれば
最高1万ドルの罰金刑か半年間の禁錮が科されるという大変厳しいものだ。さらにこちらも外国人が
違反した場合は、就業許可がはく奪され、国外追放となる。日本政府はどうか。
事態にきちんと向き合わず、対応が後手にまわっているとの印象を受けているのは小生だけだろうか。
他国勢の日本を見る目が厳しくなっている今次だからこそ、シンガポールの“庭は青く”見えるのだ。

グローバル・インテリジェンス・ユニット
王 鵬程 記す

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