朝鮮半島をさえぎる黒い霧
今月の特集 朝鮮半島をさえぎる黒い霧 ~哨戒艇「天安」号沈没事件に見える米欧勢、そして東アジア勢の思惑を読み解く~
去る3月26日、韓国海軍所属の哨戒艇「天安(Cheonan)」号が沈没、乗組員の内、58名が脱出に成功したものの、46名が死亡するという大惨事が発生した。原因については当初から様々な憶測が流布されていたが、去る5月20日、韓国政府は「調査報告書(Investigation Result on the Sinking of ROKS “Cheonan”)」を発表 。その中で本件沈没は北朝鮮勢が発射した魚雷によって引き起こされた旨断定した。これに対し、北朝鮮勢は直ちに反論を展開。同日付の朝鮮中央放送および平壌放送で「無謀な対応には正義の全面戦争によって応えるだろう」と題する「朝鮮民主主義人民共和国国防委員会スポークスマン声明」を発表した 。朝鮮半島では今、一触即発の緊張が高まりつつある。