「加速する円高」という最後通告。(続・連載「パックス・ジャポニカへの道) - IISIA 株式会社原田武夫国際戦略情報研究所 - haradatakeo.com
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「加速する円高」という最後通告。(続・連載「パックス・ジャポニカへの道)

「円高」が再び急激に加速している。表向きの出来事はどうであれ(そしてそれに引きずられて後講釈をする「アナリスト」らの言葉はどうであれ)、とにかく1ドル=105円、そして104円と着実に円高になっているのである。そして決定打が二つ出た。いずれもトランプ米大統領の言葉だ。

まず一つ。23日(米東部時間)、トランプ米大統領は邦貨換算して総計1.3兆ドルにのぼる歳出法案に署名を行った。その時、こう言い放ったのである:

このような法案には二度と署名しないと議会に言っておく

要するに今後、連邦レヴェルでの公的債務残高(米国勢として負っている債務)の上限額を越えそうになったとしても、2度とその枠を引き上げることはしないというのである。米ドルの価値を支えているのは米国債の価値である。そしてその米国債の価値は、米国債がきっちりと償還されることに支えられている。ところがそのための手段となる「このような(歳出)法案には二度と署名しない」というのである。今回の歳出法案で連邦予算が持つのは今年(2018年)9月末までだ。それまで、そしてその後を睨みつつ、ドル安が加速するレールが引かれたことは間違いないのである。

そしてもう一つ。トランプ米大統領は中国勢のみならず、我が国をもターゲットにした「貿易戦争」を仕掛け始めたのだ。同じく23日、トランプ米政権は我が国を対象国に含む形で鉄鋼とアルミに対する関税の引き上げを行う旨、一方的に発表したのである。しかもトランプ大統領は前日(22日 米東部時間)に行った記者会見でこうも述べていたのだ:

安倍晋三首相と話をすると、ほほ笑んでいる。『こんなに長い間、米国を出し抜くことができたとは信じられない』という笑みだ

これまで安倍晋三総理大臣、そしてその政権は「親密なる日米関係」を国内外でアピールしてきた。トランプ米大統領についてはその就任直前からわざわざ押しかけ、「今来られても困るから」というトランプ大統領の側の意向を「まぁまぁ」といって押し切り、トランプ・タワーでの会見をセットした。そしてフロリダ州マイアミにある同大統領の別荘へ招待された時には絶頂といった様子であり、「日米蜜月」をアピールしたというわけなのだ。

しかし私はこの「シンゾー・ドナルドの蜜月」の”演出”の直後から、方向性としては真逆へと導くことこそ、米国勢の真意であることを喝破してきた。米欧勢の統治エリートたちの用いる手段はいつも同じである。「ルシャトリエの原理(Le Chatelier’s Principle)」なのであって”上げは下げのため”なのである。いたずらに彼らが我々のことを持ち上げる時には大変気を付けなければならないのだ。そして今、その危惧は現実になったというわけなのだ。

ところが、である。弊研究所は公開情報分析(Open Source Intelligence)を通じた「定性分析(qualitative analysis)」と共に統計学上の最新の知見を駆使した「定量分析(quantitative analysis)」を行っているが、その最新の知見に基づく限り、日本株マーケットは来月(4月)後半には急上昇することが見えているのである。「暴騰」に近い流れになることがそこでは見えているのであって、現下の「暴落」との整合性をどの様に解釈すべきなのか、これこそが分析者たちにとって最大の課題になっているといっても過言ではないのである。

なぜか。私の考えはこうである。―――トランプ米大統領は「狂っている」かの様に見えるがその実、全く違う。「米連邦議会中間選挙を控えてのパフォーマンスに過ぎない」などと皮相な見解を述べる向きが後を絶たないが全くそうではないのである。彼はビジネスパーソンである。カネが流れてくる向きに絶えず舵を取りながら国政運営をしているのである。それ以上でもそれ以下でもない。だからこそ就任以来、何とかやって来ているのである。たとえファミリーはズタズタにされているにしても、だ。

今起きている本当のこと。それはこれまで弊研究所の調査分析レポートにおいて何度か詳細に説明してきたとおり、要するに華僑・華人ネットワークのハイレヴェルが歴史的に管理してきた莫大な量の簿外資産が、いよいよ人類救済のためにあらためて拠出されるということなのである。あらゆる国家指導者たちはその瞬間を待ち望んでいる。トランプ米大統領しかり、習近平・中国国家主席しかりである。

だがそうした歴史的な簿外資産スキームを邪魔する者たちがいるのだ。それが他ならぬ我が国の「政体」勢力、とりわけ自民党清和会の面々なのである。無論、陣笠議員などは知らないことである。だが、安倍晋三総理大臣は知っている。なぜならばこの「歴史的な簿外資産スキームを歪め、その資産の流れを我が物とする一派」こそ、彼の本当の支援者なのであるから。そしてまたこうした流れを創り出した張本人がかつては「風見鶏」として知られた中曽根康弘・元総理大臣であることは先日、このコラムで明らかにしたとおりなのである。そして彼らの願いはただ一つ、「政体」勢力による我が国の乗っ取りである。当然、そこでは「国体」勢力、すなわち我が国の皇室は唾棄されなければならないのであって、そうであるが故に今上陛下の生前御退位という文字どおりの「捨て身の攻撃」に対して、何やらかにやらといって難癖をつけ、皇室全体の地位を貶めようと躍起になってきたのが、自称「保守主義者」の安倍晋三総理大臣&Co.なのである。

それではなぜ我が国皇室がこれほどまでして貶められなければならないのか。それは我が国では元来、「国体」勢力こそが華僑・華人ネットワークのハイレヴェルが管理する歴史的な簿外資産の管理者だったからである。ところが「政体」勢力は1980年代前半以降、この権限を事実上簒奪するに至り、昭和天皇崩御以降はこれを欲しい侭とし、我が国の本当の”権力の中心”たる皇室を追い詰めては、他方において簿外資産スキームを自らのものとすべく奔走し、自らの権勢を絶対的にしてきたのだ。これがいわゆる「安倍一強」の真実に他ならない。

しかし、今や「暁鐘」は打ち鳴らされたのである。円高が止まらないのはその実、この簿外資産がいよいよ我が国の日本銀行に設置されている特別口座へと流し込まれ、これが簿外すなわち「オフ・バランス」から簿内=オン・バランスへと転換されることを見込んで、米欧系”越境する投資主体”らが一斉に円買いを始めていることを意味しているのだ。そしてまたそれは同時に、これまでこの「歴史的な簿外資産スキーム」を徹底的に歪めてきた者たちを一斉淘汰するオペレーションが始まることをも意味している。国会において「森友学園問題」で突如として急浮上し、安倍晋三政権がいよいよ窮地に陥っているこの瞬間に、よりによって「盟友」であるはずのトランプ大統領率いる米政権が貿易戦争を我が国と始めたのは文字どおり狙ってのことなのである。オバマ前米大統領の突然の「訪日」も、実のところそうした文脈においてのみ解釈すべき出来事なのである。

「止まらない円高」はしたがって最後通告なのである。「今すぐ世界史に対する非行を止め、懺悔をするか、さもなくば”全て”を失うか、どちらかを選べ」という最後通告である。これに聞く耳を持たない場合、安倍晋三総理大臣には実に過酷な、そして考えられ得る限りにおいて最大の屈辱の時が待っているのだ。そして米欧勢の統治エリートらは安倍晋三総理大臣、そしてその背後にあって実質的な我が国「政体」勢力にはもはや選択肢が他に残されていないことを知っている。だからこそ、全てが解決された後に澄み切った青空が一面に広がり、「円高=すなわち簿外資産が我が国を経由してグローバル社会全体に均霑される」ことへの期待感から、その導管たる我が国の株式マーケットで高騰をその”越境する投資主体”らが”演出”することになるというわけなのだ。

したがっていよいよ、なのである。「第二次安倍晋三政権」という”世紀の暗闇”がいよいよ明けた瞬間に我らとして何をすべきか。「フクシマ問題」の最終解決を中心に、一目散にダッシュしなければならない瞬間は、もうすぐそこまで来ている。目覚めよ、愛すべき同胞たち!

平成30年3月25日 東京・丸の内にて

原田 武夫記す

 

 

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