お世話になった先輩の言葉( “創業から次のステージへ─これからのIISIA” Vol.1 )
このたび、代表取締役社長COOを拝命いたしました長野でございます。これまで執行役員として多くのお客様や現場と向き合ってきた私にとって、この責任あるポジションを任されることは、身の引き締まる思いであると同時に、非常に光栄なことだと想っています。
そんな折、長年お世話になった先輩が定年を迎えられました。その方は日本生産性本部で37年間にわたり、組織開発や人材育成に尽力されてきた方であり、私にとっても多くを学ばせていただいた尊敬すべき存在です。
その節目に際し、先輩が出版された書籍『慶太伝』のお披露目と、あらたに立ち上げられた「人と組織活性化研究所」の発足記念イベントにお招きいただきました。その場で語られたある言葉が、私の胸に強く残っています。
「今の世の中は、苦しくはないが、希望がない。」
物質的には満たされ、選択肢にも恵まれている現代。それでも未来に希望が持てないと感じる人が少なくない──その言葉は、私たちIISIAのミッション「Giving the People Hope and Future」にも重なり、強く共鳴しました。
その方は、書籍執筆の依頼を受けた際、最初は迷いもあったと語っていました。しかし最終的には「受けること自体が能動的なチャレンジ」であると、自ら執筆を決断されたそうです。
このお話を聞いて、私は自然と自分の立場と重ね合わせていました。
私がIISIAに入社して約13年。お客様の声に耳を傾け、現場の課題に向き合い、所員たちと共に日々試行錯誤を繰り返してきました。そして今回、その延長線上に「社長就任」という節目が訪れました。
創業者である会長の想い、会社の歴史や文化、そしてお客様や仲間の支え。そのすべてに敬意を持ち、私は自らこのバトンを受け取ることを決意しました。
今という時代だからこそ、私たちが果たすべき役割があると信じているからです。
私は社長として、特に大切にしていきたいポリシーが二つあります。
一つは「熱」です。どんなに緻密な戦略があっても、最終的に組織を動かすのは人の情熱です。課題に取り組む熱意、仲間への信頼、社会をより良くしたいという志。そうした「熱」を所員一人ひとりから引き出し、つなげていくのが、私の役割だと考えています。
もう一つは「誠」です。私たちは、目に見える成果だけでなく、信頼や誠実さといった“見えにくい価値”を大切にしてきました。私自身、短期的な成果にとらわれず、長期的に社会から選ばれる企業であり続けたいと考えています。そのためには、誠意ある対話と、一貫した判断を徹底する姿勢が不可欠です。
創業者が築いてきたものを守りながら、時代に合わせて変えていく。守るべきものと、変えるべきもの。その見極めをしながら、私たちは「希望のなさ」ではなく「未来を語れるIISIA」でありたい。そして関わるすべての人に「IISIAに関わってよかった」と思っていただけるような存在でありたいと思っています。
このブログでは、そんな私の想いや、日々の経営の現場で感じていること、挑戦していることを、等身大の言葉で綴っていくつもりです。
今後ともご指導ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いいたします。
代表取締役社長COO 長野修拝